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金(カネ)は命より重いか?命に値段は付けられないが、自由をあがなうにはカネが必要。

金(カネ)は命より重い?

  1. 重いテーマですが考えてみたいと思います。長文注意。

    ざわ・・・ざわ・・・


    金は命より重い
    ↑利根川さんの名言です。

    金はな・・・・・

    命より重いんだっ・・・・・・!

    世間の大人どもが本当のことを言わないならオレが言ってやるっ・・・・・・・・!

    金は命より重い・・・・!

    そこの認識をごまかす輩は生涯地を這う・・・・・・!!


    賭博黙示録カイジ6巻より引用



    前フリとして、普通はカネより命が重いというのが共通認識だと思われます。有名なのは、

    超法規的措置

    日本政府は10月1日に福田赳夫内閣総理大臣(当時)が「一人の生命は地球より重い」と述べて、身代金600万ドルの支払いおよび、超法規的措置として獄中メンバーなどの引き渡しを決断。

    1977年ダッカ日航機ハイジャック事件‐Wikipedia



    人の命はカネより法律より大事だと判断した例。
    現代だともっとドライに考える人が増えて、自己責任論とかありますけど……基本的にはカネより命が重いと考える人が大半ではないでしょうか?

    賭博黙示録 カイジ 6

本当は違う

  1. 利根川さんは本気でカネが命より重いとは考えていないと思います。本当は、

    「多くの人にとって、関わりのない他人の命はカネより軽い。」あるいは、
    「他人の命よりカネの方が重く扱われても仕方がない」

    と考えていると思われます。

    だってこのセリフの後にこう言ってます。

    世間というものはおまえらの命・・・・・・

    人生のことなどまるで知ったことじゃない・・・・・・・・

    興味があるのはおまえらの金・・・・・・・・

    おまえらからいくら搾り取れるか・・・・・・・・・・

    それだけだ・・・・・・・・!


    賭博黙示録カイジ7巻より引用


    うーん、リアリスト。

    賭博黙示録 カイジ 7


1000万円、2000万円という金額の重みと軽さ

  1. 毎日律儀に定時に会社に通い残業をし

    ひどいスケジュールの出張もこなし・・・・

    時機が来れば単身赴任・・・・

    夏休みは数日・・・・・・

    そんな生活を10年余続けて気が付けばもう若くない30台半ば・・・・40・・・・・・

    そういう年になってやっと蓄えられる預金高が・・・・・・
    1千・・・・2千万という金なんだ・・・・


    賭博黙示録カイジ7巻より引用


    利根川さんのような煽動家の言うことに素直にうなずいてはダメなんですけど、煽動、煽りというのは一面の真実を含んでいるから効き目があるんですよね。

    ブロガーだとイケダハヤトみたいな。物事には2面性があるから、説得力があっても断言されると反論したくなります。それが煽動家の思うツボ。

    なるほど、1000万円、2000万円というおカネは重いです。
    でも俺の人生って金額にするとそんなもんなの?とサラリーマンなら誰でも思うはず。

    [まとめ買い] 賭博黙示録カイジ


カネより命が重いからこそカネが必要

  1. 漫画家で、「カイジ」の福本伸行と、「ナニワ金融道」の青木雄二ほどカネカネ言っている漫画家も居ないと思います。

    この二人には共通点があって、「画がヘタなのに漫画家」という事と、おそらく前半生でお金に苦労している、屈辱感を味わっている、という事です。


    お金に苦労した経験のある人が、お金について語っているのは非常に興味深く傾聴する価値があります。
    またそのスタンスも対照的です。

    福本信行は資本主義に対して肯定的です。
    画がヘタ、という漫画家としては持たざる者というコンプレックスからかどうか知りませんが、そこからスタートして開き直って成り上がってやろうという気概を感じます。

    関連記事:ギラギラしていた頃の福本先生

    そこで「金は命より重い」という名言(暴言?)が飛び出すわけです。

    対して青木雄二は資本主義には否定的です。青木雄二は共産主義者なので資本主義を共産主義の一段前の段階として下に見ています。
    というか、人生経験的に資本家の搾取に対して恨みが積もっています。

    資本家の搾取に対する恨みつらみが「ナニワ金融道」を描かせたといってもいいでしょう。
    これは漫画家引退後は(講演の聴衆が期待する)おカネの稼ぎ方やマチ金の裏話的な話の需要に応える事が少なく、需要があるとも思えない、いまどき共産党でもやらないような教条的な唯物論の講演を繰り返していた事からも明白です。

    どちらに共感するかと言えば私は福本信行の方で、これは時代的なものもあると思いますが、持たざる者(普通のサラリーマンもつとまらない落ちこぼれ)が自由を得るにはリスクを取るしかない、という主張には賛同します。

    ガチンコ勝負の土俵に上がる勇気を持て。資本主義社会ではその道が開けています。

    「金(カネ)は命より重い」とは、言い換えると命が重いからこそカネが必要、カネを軽視する者は命(自由)を軽視しているということですね。

    考えてみたらこれは唯物論で、青木雄二の主張と一緒ですね。お金について掘り下げて考えると唯物論に行き着くのでしょうか。

    普通のサラーマンは長年にわたる努力を続けて、それでも充分に報われるとは限らないのです。
    また実力も実績も無く、リスクを取る気も無いのに批判や言い訳ばかりする者を罵倒する利根川さんのキャラクターにスカッとする読者も多いと思います。

    あとは鉄骨を渡らざるを得ない所まで追い込まれても、ヤケにはなるな、勝算が薄くても勝つための最低限のロジック(論理)は構築しろという福本イズムが好きですね。最後まで必死になれない者に生き残りは無いのです。


    発達した(そして行き詰りかけてる?)資本主義社会に暮らす以上、利根川理論から逃れるとすると、お金の要らない生活を選ぶしかないですね。それこそ小屋暮らしとか…

    (この記事は2015年に投稿した記事を加筆修正して再編集しました。)

    [まとめ買い] 中間管理録トネガワ(ヤングマガジンコミックス)



    関連記事:カイジの地下通貨ペリカについて真面目に考察しておカネについて考えた


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「ナニワ金融道」の青木雄二が1億7千万円も騙し取られた話

ナニワ金融道の青木雄二が詐欺にあった話

  1. このマンガがすごい!comics 青木雄二傑作短編集 50億円の約束手形


    1997年に代表作の「ナニワ金融道」が1000万部を突破し、「一生暮らせるだけの金は稼いだ、残りの人生は遊んで暮らす」と宣言して早期リタイア生活に入った青木雄二氏。

    講演や執筆活動をこなしながらも悠悠自適の早期リタイア生活をおくっていると思っていたのですが、どうも当時裏側では大きなトラブルが起こっていたようです。

    不動産関連の詐欺(よりによって青木氏の得意分野です)に合い1億7千万円も騙し取られています。奥さんが伝記漫画の取材で語っているので、詳細を知ることができます。

    新ナニワ金融道青木雄二物語 1 (SPA COMICS)



  2. 「ナニワ金融道」で、さんざん騙す側や騙される側の心理を描いてきた人が、まさか詐欺に合うとは思わないのでインパクトがある話です。まさに事実は小説よりも奇なりです。

    不動産事業で失敗して追い詰められた男が詐欺師になり、青木雄二をターゲットにする顛末が語られるわけですが、いったん詐欺師に狙われたらどんな人でも騙される可能性があるという訳ですね。

    詐欺には特殊詐欺(オレオレ詐欺)のような数打ちゃ当たる式の低クォリティのものもあれば、狙いすまして何重にも心理的トラップを仕掛けた高等なものもあります。
    完璧に決まった詐欺は芸術性すら感じさせるものもあります。

    この件で面白い現象は、詐欺にあった年から青木雄二が猛烈な勢いで本を出していることです。

    伝記漫画の中では「執筆意欲を掻きたてられた」と描かれていますが、これどうみても騙された「元」を取ろうとしてますね(笑)
    この詐欺師をモデルにした話も書きました。
    当時の読者はそんな事知らないんですけど……

    この伝記漫画はファンにとってマストアイテムですね。
    実際に詐欺に合った人が「騙されるなよ」と語っているので説得力もあろうというものです。

    新ナニワ金融道青木雄二物語2 (SPA COMICS)




  3. 奥さんによれば青木雄二は「サービス精神が旺盛」で、プライベートなことまでつねづね語ってしまっているので悪い人間に標的にされてしまったようです。
    考えてみれば少なく見積もっても個人資産が5億円を超える「超富裕層」が、個人情報を知られているというのは怖い話です。

    この話から分かる事は、本気で騙しにかかっている詐欺師から逃れるのは難しい、と言う事と、詐欺師に目をつけられる事の怖さです。

    早期リタイアした人は、まとまった金融資産を持っています。そしてその運用先を常に捜しています。

    早期リタイアするような人は一般人より金融リテラシーが高いと思われますが、定年退職した老人とはまた違った意味で騙される可能性があります。

    目立たないのが一番、そういった意味ではこのブログもリスクはあります。
    詐欺師に狙われないまでも、悪意を持った人に知られる恐れはありますね。
    ブログで個人を特定されるような事は書かない方が良いでしょう。

    青木雄二物語3 (SPA COMICS)



    (※この記事は2015年に投稿したものを再編集しました。)


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カイジの地下通貨ペリカについて真面目に考察しておカネについて考えた

1 通貨とは何か?

  1. マイナス金利の影響で通貨とはなんぞや?という事を考える機会も増えてきたと思います。

    フィクションの世界の話ですが漫画「カイジ」の地下通貨「ペリカ」について考察しておカネについて考えてみます。

    エンデの貨幣論について記事を書いた事もありペリカという私的通貨、おカネに興味があるんです。

    漫画とは言えあなどれないおカネの話……!

    エンデの遺言 ―根源からお金を問うこと (講談社 α文庫)

2 帝愛地下王国の通貨「ペリカ」

  1. ・ペリカとは

    ペリカ

    マンガ『賭博破戒録カイジ』に登場する「地下王国」の通貨単位。スペルは「Perica」で、レートは1ペリカ10銭(0.1円)。 すべて紙幣で、額面は100ペリカ、1,000ペリカ、10,000ペリカの3種類。紙幣には発行者である帝愛グループ会長の兵藤和尊の顔が印刷されている。10ペリカ=1円。 

    ペリカとは - はてなキーワード -



    perika.png

    ペリカの券面のデザインには帝愛グループの総帥、兵頭会長の肖像画が採用されています。

    ちなみに非公式情報ですが、兵頭会長のモデルは武富士の創業者と言われています(武富士→武藤→兵藤→兵頭)。

    金貸し、借金取りのイメージでそのまんまですね。

  2. ・地下通貨ペリカの違法性

    借金持ちを地下に強制連行してタコ部屋労働を強いている時点で違法もクソも無いと思いますが、紙幣類似証券取締法という法律があります。

    これにより紙幣類似の作用・機能を有する物の発行等を取り締まっています。

    でも地域通貨ってありますよね?
    商店街が発行したりするやつ。

    地域通貨は円以外の名称、有効期限の設定、円との兌換不可、会員のみが使用可能な形態などを取る事により法的問題を回避したりします。

    まあカイジや班長が地上に出た時に、ペリカと円の10対1での引き換えが保証されている描写があるので、このあたりガッツリ法に触れそうです(笑)

    お金のつくり方: 地域通貨運営マニュアル Ver3.00

  3. ・ペリカの実在モデルはあるのか?

    ある訳ないだろう、と思ったのですが探したらありました。
    西表(いりおもて)炭鉱で使われていた炭鉱切符というものがあります。

    給料の代わりに炭坑切符と呼ばれる私製貨幣が支給され、会社経営の売店で食料や日用品と交換することができた。炭坑切符はある程度集めれば通貨と交換できるとされていたが、実際には交換されないばかりか責任者が交代すると紙切れ同然となった。すなわち一度炭坑にやってくると二度と帰れないというのが実情であった。

    西表炭鉱(Wikipedia)


    こういった場所での私的貨幣の発行目的として逃亡防止があります。

    無報酬で働かせ続けると不満が溜まり反乱・逃亡のおそれがあるので、ある程度は報酬を渡す必要があります。
    しかし現金は逃亡の資金にもなるので、かわりに私的貨幣を渡してそれで売店での買い物にとどめさせるわけです。

    本当にひどい話です……

    沖縄・西表炭坑史

  4. ・地下王国の経済規模・ペリカの流通量

    漫画やアニメの描写を見るとすくなくとも100人以上の債務者が働かされています。
    ひとりあたりの月の基本給が910,000ペリカですが9割が借金返済と施設利用料に当てられるので、手取りは91,000ペリカ(9,100円!)しかありません。

    仮に200人ぐらいが給料を受け取るとして、月に2千万ペリカぐらいの貨幣が地下王国に供給される事になります。
    日本円にして200万円ほどですから非常にささやかな経済規模です。

  5. ・ペリカによる売店経営・賭場開帳の意義

    売店経営は「地下という環境を考えれば」比較的良心的です。

    利益を帝愛側と班長側で折半している為、値段が高いことは高いのですが、飲み物は「キンキンに冷えてやがる」し、混ぜものや水増しといった不正も無いようです。

    kinkin.png
    飲み物はキンキンに冷えてやがります。


    あくまで借金返済の為に働く債務者の福利厚生(?)とペリカの回収に重点を置いているようです。

    月2~3回の賭場開帳の意義は過酷な労働を強いられている債務者のガス抜きでしょう。

    参加費は300ペリカとこれも良心的(?)です。
    高いテラ銭を取られる地上の公営ギャンブルよりよほどマシです。

    漫画を読むとイカサマによる搾取のシステムに見えますが、あくまでそれは大槻班長が勝手にやっている事で、本来は単なる娯楽、息抜きのようです。

    地下のような特殊な環境にしては意外と健全です。帝愛側としてもトラブルは困りますし。

    もっとも班長にペリカを借りるとあとが地獄です(笑)

    賭博破戒録 カイジ 1

3 地下通貨ペリカと大槻班長の運命

  1. ・ペリカはエンデの言う腐る貨幣に近い?マイナス金利?

    地下通貨ペリカの流通量が少ないのと売店経営が適正に行われている為、地下王国でペリカがダブついてインフレになるという事はないようです。
    また貯めこむのも後述の理由で現実的ではないのでデフレにもなりません。

    システムとしてはよく出来ています。

    唯一大量にペリカを集める手段として月数回の賭場がありますが、大量に集めたペリカの消費手段は50万ペリカの1日外出券しかありません。

    外出を許可されるのは帝愛が認めた人物だけなので、実際は班長クラス、体制側の人間が多くなるでしょう。
    偶然に賭場で大勝した人物が出てきても、せいぜい売店で豪遊するしかありません。
    銀行が無いのでペリカの貯蓄や運用もできませんし、あまり多額のペリカをタンス預金するのも不安がありますし。

    ペリカを貯めこんでもふさわしい大量消費手段が無い上に、貨幣としての信用が時限式(帝愛がいつルールを変更するか分からない)では、使うしかありません。

    実体経済と貨幣経済のサイズがほぼ同じ(そう管理されている)なので、純粋に労働の対価としてのおカネという事になります。
    明確に減価こそしないものの、労働の対価としての貨幣と言う意味ではエンデの言う腐る貨幣(自由貨幣)に近いものがあります。

    もちろん不当に労働力を搾取されているわけですが……

    田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」

  2. ・ペリカと大槻班長の運命

    ペリカはあまり貯めこんでいると確実にペナルティがありそうです。

    金貸しとイカサマで不当に利益を得ていた大槻班長は、最後にカイジの逆襲にあって破滅しました。

    この時他の班長は大槻班長の地位保存に協力してくれなかったし、帝愛側は最初から不干渉です。

    閉じた地下王国の貨幣システムの中で、不当かつ無用に蓄財しようとした大槻班長は地下王国の貨幣システムを理解していませんでした。

    せいぜい年に一回ぐらい地上に出て一杯やるぐらいが適正で、貯めこんで温泉、避暑地、ハワイなどで豪遊しようとするのは明らかにやり過ぎです。

    地下王国の経済規模を超えた計画を実現するにはカイジたちを不当に絞りあげ続けなければなりません。
    この暴挙は地下王国の安定を脅かす可能性があります。

    地下王国の安定の為に通貨制度を設計した帝愛グループ側から見ると、大槻班長は明らかにやり過ぎていたので、カイジが居なくてもいずれ何らかのきっかけで破滅していた可能性は高いでしょう。


    ※ちなみにカイジのスピンオフ作品、「1日外出録ハンチョウ」が連載開始しています。コミックが出たら買います。

    中間管理録トネガワ(1) (ヤングマガジンコミックス)



    それまではトネガワを読んでいます……!


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