カテゴリ:配当・株主優待

  • 2017/12/18配当・株主優待

    10年前、20年前に比べると日本株もフェアバリュー(適正価格)に近づいてきたと言われます。いや、言われる事は少ないかもしれませんが、私はそう実感しています。フェアバリュー(適正価格)とは株価の相対位置が高い低いというのとは少し違った概念で、そもそも株価はどうやって決まるのかという世界共通の目安みたいなものです。純資産額や配当利回り、収益性や成長力などの目安から適正な株価を割り出し、市場参加者の合意によ...

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  • 2017/12/12配当・株主優待

    株主還元策といえば、配当、自社株買い、の2つです。ここに第3の株主還元策として、株主優待を挙げている企業は結構あります。IRページに堂々と書いてあるんですよ。典型的な文句としては、「多くの方に永く株主になっていただき、株主様に当社への理解を深めていただく為に株主優待を実施」といった感じです。クオカードをもらって何をどう会社への理解を深めれば良いのでしょうか、私にはわかりません。なかには直接的に、1部...

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  • 2017/11/22配当・株主優待

    「株主優待を貰うためだけ」にはずっとその会社の株を保有する必要はなく、権利日の1日だけ株式を取得して権利を得れば良い事になります。信用取引の空売りと現物買いの組み合わせ(クロス取引)で、株価の変動や配当の影響を受けず株主優待の権利だけを取得するのが株主優待クロス取引、俗称「優待タダ取り」です(厳密にはタダではない)。別に違法では無いのでこの行為自体には問題はありませんが、永く株主になってもらいたい...

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フェアバリュー(適正価格)とは何か?配当利回りを足がかりに分割で株を買う

10年前、20年前に比べると日本株もフェアバリュー(適正価格)に近づいてきたと言われます。いや、言われる事は少ないかもしれませんが、私はそう実感しています。

フェアバリュー(適正価格)とは株価の相対位置が高い低いというのとは少し違った概念で、そもそも株価はどうやって決まるのかという世界共通の目安みたいなものです。

純資産額や配当利回り、収益性や成長力などの目安から適正な株価を割り出し、市場参加者の合意によって株価は形成されていきます。

フェアバリュー(適正価格)でないものの値段と言えば、例えば1980年代末から1990年代はじめのバブル、21世紀初頭のITバブルが挙げられます。

このころはそもそもフェアバリュー(適正価格)という考え方が希薄で、世界基準に従わず日本独自の相場感で株価が形成され、株価を説明する理屈は後からついてくるような感じでした。実際に現在は使われていない異常な株価を正当化するための新指標が考え出されていたりします。まあそれがバブルというものかもしれませんが……

現在だと誰にも説明のつかない、説明しようがないフェアバリューでないものといえばやはりビットコインですね。フェアバリューの基準そのものが存在しない。

さてこのブログは配当金生活ですから、やはりフェアバリューの判定基準として目をつけるのは配当利回りになります。

日本企業も年々株主還元や配当に目を向けるようになってきましたから、以前よりは配当利回りを足ががりに株を買う環境は整ってきました。

現在の米国株が割高と言われるのは、PER(株価収益率)の上昇よりもむしろ配当利回りの低下が原因に挙げられます。

今やS&P500よりも日経平均の方が配当利回りが高いのです。


初心者向けのアドバイスですが、株を買うタイミングが分からない、買い増しのタイミングが分からない、株を売るタイミングが分からないという人には、フェアバリュー(適正価格)を意識することをすすめます。

フェアバリュー(適正価格)の基準のひとつとして配当利回りに着目して、配当利回りが目標の基準を上回った時点で買いを入れるのです。

目標の基準が高すぎ欲張り過ぎるといつまでも買えず、機会を逃すかもしれませんし、

かと言って低すぎると割高な状態で買ってしまい、ちょっと市況が悪くなると含み損になり投げたくなるかもしれません。

初心者は株を買うまでは株価が下がる事を望み、株を買った後には株価が上がる事を祈っています。ここにはフェアバリュー(適正価格)という考えがありません。株価は上がっても下がっても良いと考えるべきです。

一発勝負で株を仕入れるより、タイミングを分割して平均値を有利にする考え方の方が実戦的で、分割買いはドルコスト平均法のパッシブ投資だけでなくタイミングをはかるアクティブ投資でも有効です。

昔から相場の世界で使われてきたナンピン3分割などはその古典的なやり方なので、参考にすると良いでしょう。これは長期投資でも短期投資でも使えます。労多くして益少ない一発勝負よりは確実に勝率が高まります。↓

この記事の参考記事:配当金狙いの株の買い方の一例

以上、「フェアバリュー(適正価格)とは何か?配当利回りを足がかりに分割で株を買う」の記事でした。

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株主優待は株主還元策なのか?

株主還元策といえば、配当、自社株買い、の2つです。

ここに第3の株主還元策として、株主優待を挙げている企業は結構あります。

IRページに堂々と書いてあるんですよ。

典型的な文句としては、「多くの方に永く株主になっていただき、株主様に当社への理解を深めていただく為に株主優待を実施」といった感じです。

クオカードをもらって何をどう会社への理解を深めれば良いのでしょうか、私にはわかりません。

なかには直接的に、1部上場の株主数を維持する為に株主優待を実施しています、と書いてある会社まであります。それ株主還元じゃないだろと。

株主還元というのは、会社の経営に無関心な最低単元株主にエサをまくことじゃないんですよ。そういう会社の志の低さはIRページの書き方にもあらわれます。銘柄選びの参考にすると良いでしょう。


株主優待を配当と同等の株主還元として扱うことは、会社法(株主平等原則など)や会計、税制の観点から適切ではありません。株主優待はあくまでオマケ程度だから許されるのです。

株主優待の情報を株主還元策のページに書くことがすでに間違っているのです。


株主優待を実施して成功したと言われる、株主優待の元祖的なカゴメ(2811)のIRページには何と書いてあるでしょうか。

当社は、年2回、新商品や注力商品等の詰め合せを『株主優待』として全国同日に贈呈しております。本制度は2001年9月からスタートいたしました。この株主優待贈呈については、株主還元と一線を画し、 株主のみなさまには、様々な旬の情報と共にお届けする当社商品を通じて、KAGOMEを知っていただくことを主旨としております。また、毎回実施しているアンケートにて株主のみなさまのお声をお聞かせいただき、企業活動に活かしております。

株主優待(カゴメ)


「この株主優待贈呈については、株主還元と一線を画し、 株主のみなさまには、様々な旬の情報と共にお届けする当社商品を通じて、KAGOMEを知っていただくことを主旨としております。」とはっきり書いてあります。

そのとおり株主優待は株主還元とはっきり一線を画すべきです。優待利回りという用語は、配当と優待を同列の株主還元と解釈した用語だと思われますが、あまり好ましくない用語です。日本の株式投資の環境を今後良くしていくためにも、これは断ち切るべき悪習でしょう。

株主優待の元祖的な存在であるカゴメ(2811)には優待に関するポリシーが見られます。

長期計画的な自社製品の優待の実施によってカゴメ株主は20万人以上いますし、この株主に定期的にアンケートを取って経営に生かしています。

調査によるとカゴメのファン株主は一般消費者より10倍カゴメ製品を購入するらしく、直接的な購買力のみならずカゴメ製品をよく知るこのような株主はカゴメの広告塔になってくれるでしょう。

おそらく、2001年にカゴメの優待を始めた立場の人は、現在の株主優待を取り巻く異常な状況を苦々しく思っているでしょう。カゴメの株主優待の成功を見て、精神を理解せずに形だけ真似る企業が増えすぎたのです。

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「株主優待クロス取引問題」の対策として長期株主を優遇するのは妥当か?有効性は?

「株主優待を貰うためだけ」にはずっとその会社の株を保有する必要はなく、権利日の1日だけ株式を取得して権利を得れば良い事になります。

信用取引の空売りと現物買いの組み合わせ(クロス取引)で、株価の変動や配当の影響を受けず株主優待の権利だけを取得するのが株主優待クロス取引、俗称「優待タダ取り」です(厳密にはタダではない)。

別に違法では無いのでこの行為自体には問題はありませんが、永く株主になってもらいたい会社側としては、迷惑な動きと言えます。

優待クロス取引で取得された議決権と優待権利のうち、議決権はまず行使されません。よって株主総会に下手に関心を持って欲しくない経営陣にとってはこの動きはむしろ歓迎と言えますが、まともな会社ならば望ましくない事でしょう。


そこでこの優待クロス取引の対策として、長期株主を優遇する優待制度に改正するという動きが広がっています。この流れで長期株主を優遇する会社が多数派になれば、株主優待のタダ取りは成り立たなくなるでしょう。

具体的な例を挙げると、日本取引所グループ(8697)の株主優待です。あまり知られていませんが東京証券取引所と大阪証券取引所などが統合した日本取引所グループ(以下JPX)は上場していて、株主優待を実施しています。

そのJPXが最近株主優待の変更を発表していて、2018年3月期の株主優待から変えるというのです。今までは継続保有年数に関わらずQUOカード3000円だったのが、以後は1年未満で1000円、2年未満、3年未満、3年以上と差をつけるという事です。

外部リンク:JPX株主・投資家情報(IR)株主優待

これだと優待タダ取りの1日株主にとっては優待額が3分の一になったのと同じなので、旨みが減少します。手間に見合わないと思えばタダ取りを断念する人も出てくるでしょう。

よって株主優待の長期株主を優遇する流れは、株主優待クロス取引問題の対策としてはある程度有効でしょう。東京証券取引市場の元締めであるJPXが実施する事なので、おそらくこれにならう企業が多くなるのではないでしょうか?


ただし、長期株主のみを過剰に優遇する事については疑問があります。何度も出てくる株主平等の原則です。

企業から見れば忌々しい1日株主ですが、株主平等原則にてらせば1日株主も10年株主も100株の権利は同じです。この権利に差をつける事は許されません。

株主優待は株主の権利ではなく、あくまで会社から株主への社会通念上許される程度の贈り物であるという建前です。だから差をつけても株主平等原則には反しないという理屈です。

つまり「優待権利」とは俗称であって本当は株主の権利ではありません。

こんな屁理屈を弄する(素晴らしい理論だとは思わいでしょう?)ぐらいなら、株主優待などやめてしまえと私などは思うのですが、長期株主を優遇する事が優待クロス対策に有効ならやむを得ないのかもしれません。それがJPXの判断なのでしょう。


問題の根は株主優待に換金性の高いクオカードなどの金券類を採用している事にあります。優待クロス取引の動機はてっとり早い金儲けですから、換金性が低く消化に手間のかかる優待に変えてしまえば良いのです。まともな株主なら別に文句は無いでしょう。

JPXならば株主限定の東証見学イベントの参加権とか、地方の株主には関連書籍の送付などはどうでしょうか?2015年に「コーポレートガバナンス・コード」を策定したばかりのJPXには上場企業のありかたについて、率先して全ての上場企業に範を示す義務があるでしょう。


外部サイト:コーポレート・ガバナンス(JPX)
外部参考記事:「コーポレートガバナンス・コードとは何か」(日経ビジネス)

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