カテゴリ:税金・確定申告

【年末恒例】損出し節税クロス取引による配当金生活の税金先送り(繰り延べ)テクニック【合法】

配当金生活では配当銘柄の継続保有により配当金を貰い続けるのが目的なので、基本的に一度買った銘柄は投資の前提条件が変わらない限り売りません。

例外的に年末に限り、含み損の銘柄を売る事があります。

目的は払う税金の先送り(繰り延べ)です。損失を確定する(損出しと呼ぶ)事によって、その年にそれまでに確定利益があれば払い過ぎた税金が還ってきます。

損失を確定し、翌営業日に同一銘柄を買い戻すのです。注意するのは同一営業日でやっては駄目な事です。ルールとして同一営業日の売りと買いは買いが先に計算されるので、買い付け平均単価が変化してしまいます。これを避ける為のやり方です。

ただしこのやり方は営業日をまたぐので、思った値段で買い戻せない可能性があるのは難点です。どうしても同一営業日にしたければ複数の証券会社の口座でやる方法もあるでしょうが管理は面倒です。

信用口座があれば通常はクロス取引を行います。具体的な手順は同一営業日に現物売り、信用買い、翌営業日に現引き、です。現物口座と信用口座は買い付け単価計算が別なのでこれで問題ありません(現引現渡は現物取引の取扱い)。

外部参考:同一銘柄を2回以上にわたって買付けた場合の取得価額はどのように計算するのですか?(マネックス証券)

こうする事によって損失を計上し、他の譲渡益や配当金と損益通算する事によって税金が戻ってきます。源泉徴収ありの特定口座なら払い過ぎた譲渡益の税金はそのつど還付されますし、配当金の税金は翌年の1月にまとめて還付されます。損益通算して引ききれないマイナスは3年間繰り越し(確定申告が必要)できます。

マイナスを翌年に繰り越した時は、翌年は逆に利益を確定(益出しと呼ぶ)して無税で含み益を実現益に換える事もできます。こちらは損出しほどの経済的効果は無いですが。

やってる事は税金の先送りなのですが、基本的に保有株は売らない配当金生活では上手く行けば一生利益を確定しない事になるので、いくらでも先送りできます。

年末はこういった損出しの為の売却があちこちの銘柄で観測されます。年末の株安の原因のひとつにもなっています。

観察していると板の薄い銘柄をぶち抜いて派手に損出ししてる人も見受けられますね。節税の為のクロス取引は合法ですが(自分の売りに自分の買いをぶつけるクロス取引は違法です)、相場操縦が疑われるような取引は違法になる恐れもあります。零細個人投資家にはあまり関係ない話ですが、怪しい動きは止めましょう。

損出しクロス取引には、心理的なプラス効果もあります。含み損の口座画面を眺め続けるのは不愉快な事ですが、確定損にしていったん処理してしまえば節税にもなり以後は心理的にラクになります(笑)。新年を新しい気持ちで迎えるためにプラスに考えましょう。

なお、税制上の最終取引日は受渡日がベースになるので、今年(2017年)の最終取引となる約定日は12月26日(受渡日が大納会の12月29日)になります。この日までに処理を終えなければなりません。

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日本株式1億円、年間配当300万円。確定申告でいくら税金を減らせるか?

配当所得を所得税は総合課税、住民税は申告不要(源泉徴収で終了)で申告する事により、国民健康保険料などの判定基準に影響を及ぼす事なく、配当控除のメリットだけを受けて税金を安くする事ができます。

関連記事:【超朗報】上場株式等の配当の課税方法、実質見直しで所得税と住民税を別々に分けることができる!【配当生活に追風】


配当金生活では特定口座の源泉分離課税と比べていくら安くなるのか、具体的に計算してみます。

モデルケースでは日本株1億円、配当利回りを3%とし、税引き前の配当所得300万円のケースで考えてみます。配当金以外の所得はゼロとします。


特定口座の源泉分離課税では、20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%、地方税5%)が源泉徴収され、そこで申告不要制度を利用した事になり課税が終了になります。何もしないでいいのでラクではありますが……

この税率だとざっと税金61万円弱です。苦労して1億円の資金を用意しても、300万円の配当のうちこれだけ税金を持っていかれるとなかなかツラいですね。


源泉徴収ありの特定口座でも、あえて配当所得を確定申告する事はできます。配当控除を受ける為ですが、住民税を総合課税で申告するメリットは配当控除を考慮してもほぼ無いので、所得税のみ総合課税で確定申告し、住民税は申告不要制度を利用します。すると課税は次のようになります。

・所得税10%(累進課税。課税所得金額195万円超 330万円以下のゾーン)で配当控除率10%。合計0%。
・住民税5%(申告不要制度を利用。源泉徴収のまま)

合計で5%になり、このケースで金額にして15万円になります。


つまり日本株1億円、配当利回り3%、配当金300万円、その他の所得ゼロのケースで、税引き後の配当金は源泉分離課税の場合は240万円弱所得税は総合課税、住民税は申告不要で別々に申告した場合は285万円になります。

確定申告の方法を検討するだけで、その差はなんと45万円ちょっとにもなります。


この例では所得が配当所得のみというケースで、非常にシンプルなので間違えようは無いと思いますが、実際は人によって収入の種類や家族構成などは全然違うので多少損益分岐点の計算が複雑になります。

しかしそれでも基本的に配当所得を所得税は総合課税、住民税は申告不要(源泉徴収で終了)で申告する事によって所得税で配当控除を受け、住民税は申告不要で5%に留めるのが有利なケースが多いのは間違いないでしょう。

配当所得を確定申告しても住民税を申告不要とできるようになった事で、国民健康保険料などの行政サービスの計算判定に影響しなくなったのが損益分岐点の計算を簡単にしていますし、住民税で配当控除を受けるより申告不要とした方が住民税の税率も安くなるからです。

この辺りは混乱しやすいところなので、自分用と思って簡易な表を作成しました。

h.png
※確定申告のケースで復興特別所得税を省略

195万円超330万円以下が一番おいしいボリュームゾーンですが、実際は配当所得以外の所得もあるのが普通かもしれません。そうするとこのゾーンは超える可能性もあります。

330万円超695万円以下でも5%ほども安くなります。695万円超900万円以下でもまだ少しだけ安くなりますね。

今回の改正は配当金生活にとっては非常に大きい改正で、配当所得以外に他にブログやアルバイトでいくら稼ぐか、もしくは稼がないかとかライフプランにも影響してくるかもしれません。

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【超朗報】上場株式等の配当の課税方法、実質見直しで所得税と住民税を別々に分けることができる!【配当生活に追風】


  • 平成29年度税制改正の大綱


    (最終更新:2017年9月30日 全体的にリライト 参考記事リンクを追加 )

    (地方税)
    〈個人住民税〉

    (9) 上場株式等に係る配当所得等について、市町村が納税義務者の意思等を勘案し、所得税と異なる課税方式により個人住民税を課することができることを明確化する。

    平成29年度税制改正の大綱(1/8)(財務省)


    「市町村が納税義務者の意思等を勘案し、所得税と異なる課税方式により個人住民税を課することができることを明確化

    マジですか!

    つまり住民税の方は申告不要で、所得税の方は総合課税で配当控除を使えるって事ですか!

    これは配当金生活者にとってすごい事ですよ。

    ちょっと気になったのが、「明確化する」という文言。
    ん?ひょっとして今までも解釈によってはできたりしたの?

    と、思ってググってみたらありましたよ。

    意外と知られていないのが、所得税と住民税で異なる課税方式を選択できることです。

    ただし、平成28年度現在では自治体によって対応はマチマチで、大阪市のようにHPで公表されている自治体もあれば、公表していない自治体もあり、公表していないからできないとうことでもありません。

    できるかできないかは自治体に直接問い合わせる必要がありますが、平成29年度税制改正でこのことが明確化される予定で、平成29年度からはどの自治体でも可能になります。

    この所得税と住民税で異なる課税方式を選択できるようになると、おいしいとこ取りができます。

    配当所得は所得税では総合課税で、住民税では申告不要にすれば有利になるケースとは?(やまばた税理士事務所)

    なんじゃそりゃあ!
    できたりできなかったりしたのかよ!
    税金ってこういういい加減なところありますね……

    上場株式等の譲渡損失の繰越控除や損益通算をしたら住民税の申告も検討しよう
    ↑ここによると税理士でも知らなかったという人がいるようです。
    何というスキマ情報……!

    改正法案は2017年2月6日に国会提出されてすでに衆議院で可決されています。
    正式に法律化されて明確になれば、税理士でも知らない人がいるという状況にはならないと思います(汗)

    (追記)
    2017 年度改正税法により所得税と異なる課税方式により個人住民税を課することができることが明確化、その際の手続き規定も整備されました。

    な なんじゃこりゃ~ 松田優作 Tシャツ XSサイズ~XXLサイズ ジョークグッズ どっきり パーティ コスプレ 衣装 (XXL)



  • 所得税と住民税で別々に課税方式を選べると何が有利なのか?


    ピンときていない一般の方にカンタンに説明すると、配当金の税金は源泉徴収されて普通はそこで終わるんですけど、金融資産の損益通算をしたり各種控除を利用するために確定申告する場合は分離課税か総合課税を選べます。

    そこで総合課税を選ぶと「配当控除」が使えるので、いったん源泉徴収された税金がいくらか還付されます。

    いっけん良い話のようですがここで注意すべきは、配当金を申告してその分総合課税の課税所得が増えると、住民税の計算にも影響してくることです。

    さらに国民健康保険の保険料は多くの自治体で住民税の課税所得を基準に計算しています。

    つまり単純に配当金を全部総合課税にしてしまうと、国保の保険料の支払いが激増する可能性があるのです。
    国保の保険料、高いですよね……

    今までは配当控除を受けるメリットと保険料が上がるデメリットを勘案して、どちらが有利かという複雑怪奇な計算をして損益分岐点を割り出す必要があったのです。

    だったら面倒なので源泉徴収ありの特定口座で確定申告しないでいいや、という人が多かったはずです。

    ところが今回の改正によって、国保の保険料に影響を及ぼさずに配当控除分だけ税金が安くなる、という方向性が明確に出てきました。

    長友先生、国保って何ですか


  • 実際の手続き


    ・税務署に配当所得の所得税を総合課税で確定申告する。

    これで配当控除が受けられます。
    税務署で確定申告すると自動的に情報が市区町村に回り通常は住民税も所得税と同じ課税方式になります。
    それでは保険料などが上がってしまうので、それを避ける為に次のステップ、

    ・市区町村の税務申告窓口に、住民税の申告書を提出する。

    住民税では配当所得に対する課税は源泉徴収で終わらせ、申告不要としたいところです。
    申告不要制度を利用するために住民税の申告書を提出するというおかしなことになりますが、現状では仕方がありません。
    住民税の申告書を提出しつつ、その上で上場株式等の配当所得については記載しない事により、申告不要制度を利用する事になります。

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