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伊藤レポート「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト「最終報告書」を公表します(経済産業省)

2014年に経済産業省が発表した「伊藤レポート」という報告書があります。

個人投資家にはあまり知られていませんが、この中に重要で具体的な提言があります。

資本コストを上回るROE(自己資本利益率)を、そして資本効率革命を
ROE を現場の経営指標に落とし込むことで高いモチベーションを引き出し、中長期的にROE 向上を目指す「日本型ROE 経営」が必要。
「資本コスト」を上回る企業が価値創造企業であり、その水準は個々に異なるが、グローバルな投資家との対話では、8%を上回るROE を最低ラインとし、より高い水準を目指すべき。


具体的にROE(自己資本利益率)8%以上という数字が明記されています。

逆に言うとROE(自己資本利益率)がそれ以下だと価値を創造していない企業、つまり上場している意味が薄い企業ということになります。

「いったい何のために上場しているの?」「私の投資した資本をどうしてくれちゃってるの?」という投資家の厳しい目線にさらされるわけです。

具体的には資本を有効に活用できていないため収益性では無くもはや解散価値で株価を測られる企業と見なされ、株価が下落しPBR(株価純資産倍率)が低下します。

PBRが一倍を切る企業は、もはや投資家に何の期待もされていない、投資家から集めた資本を有効に活用できない企業と見なされているわけですから、経営陣は恥と思った方がいいです。

じっさい株価があまりにも下がれば敵対的買収の危機にさらされますし、「我々ならもっと上手く経営できる」と思う陣営に買収されるならそれは市場が機能しているということで、良いことでしょう。


株主から集めた資本を使って、年率8%以上の利益率を上げられなければ企業の経営としてダメダメという訳です。

すくなくとも世界の目、外国人投資家の目から見ると大いに不満です。

投資家の立場としてリスクのある株式に投資するなら、世界規模の視野で見れば(個人投資家も別に日本株を買わなくても済む時代です)最低8%の期待リターンは欲しい所ですよね。

アベノミクス以降はこの政府のROE重視の方針とダブついてる手元流動性の行先として、自社株買いと企業買収がさかんに行われています。てっとりばやくROEを上げる方法です。

お上から言われて一律にROE8%以上を目指している……というのも少々情けない気がしますが、それでも投資環境としては良い方向へ向かっていると思います。

ひと昔前に比べると、政府主導とはいえ、日本企業がROE重視、増配や自社株買いで積極的に株主還元を行うようになっている傾向は明らかです。


また配当金狙いの投資を考える場合でも、ある程度のROEが無ければ十分な配当を行う事ができません。

低いROEと高い配当性向から、無理に配当を出している高配当株は余程の好財務の企業で無ければ、配当の継続性に疑問符が付きます。

ROEが継続的に8%あれば配当性向が50%でも、毎年4%の利益が残るので、複利で企業の資本が成長していくと20年前後でだいたい利益が倍に成長している計算になります。

このとき配当性向も50%なら配当も倍になっています。

こうした銘柄は配当成長株と呼ばれます。配当株投資の中でも配当成長株を狙うならROE重視にならざるを得ません。




一般論として、ROEが高ければいいというものではない、ということは言えます。

投資家の立場で考えれば、高ROEの銘柄は割高になりやすく有利子負債も多いのであまり攻めすぎるのは危険です。

株価の割安度をはかるPERやPBRと併せて考えるのは当然ですが、企業の「儲ける力」であるROEにもっと注目しようという流れはあります。「伊藤レポート」以降はROEブームになっていると言っていいでしょう。

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