老後のお金を貯めることを目的とした商品に、「個人年金保険」があります。数十年間にわたって保険料を払って老後に年金を受け取る、貯蓄目的の生命保険です。

保険と名が付くと、「保険料を支払い続けなければ」という心理が働きやすく、銀行に預金するより続けやすいメリットがあります。

ただ、老後資金を貯めるのに有利かというと、決してそうとはいえません。



保険と名がついて、強制的に積み立てになるから続けやすい、というのは心理的にはそうかもしれませんが、そんな心がまえで大事な資産形成期を数十年も過ごすとしたら、有利不利とかいう以前に単純に未来は暗いとしか言えませんよね。

たとえば、40歳男性が60歳から10年間、毎月5万円ずつの年金が受け取れるプランに加入した場合、保険料の月額は2万3808円。総受取額600万円に対し、払込保険料総額は約571万円で、約29万円、受取額が多くなります。

最近は、保険会社が広告などに「戻り率」という指標を記載していますが、これは払込保険料総額に対していくら受け取れるかを示すものです。前述のケースの戻り率は105%で、一見なかなか良さそうだと思われるかもしれませんが、これは20年間、保険料を払い続けたら払込額の105%が戻る、という意味です。

おトク度を測るには年利回りを出す必要があります。前述のプランを換算するとわずか0.1%。0.1%が20年間固定されるので、金融商品として魅力はありません。


この場合特に痛いのがわずか0.1%の金利が20年間固定されることです。
この間もし金利が急上昇したら、実質的に大損です。
かといって中途解約、つまり損切したらそれまでの金利支払いがスズメの涙なので、解約払い戻し金が払込保険料総額を下回って元本割れします。

まあもし私なら、金利が上昇するのが明らかなら元本割れしても解約して損切りしますけどね。
元本割れが嫌だといってヘタに何十年も我慢したら大損の大馬鹿野郎です。
そのような愚行を、「心理的に積立を続けやすいのがメリット」と呼ぶのは馬鹿げています。

現在は超低金利時代なので、貯蓄目的の個人年金保険に入る理由は一ミリも無いのですが、超低金利時代ゆえに保険セールスの使う資料の見かけの戻り率に惑わされるかもしれません。その時は年利換算して正気を保つといいでしょう。

他に保険のセールスの武器として、個人年金保険料控除があります。

参考外部サイト:個人年金保険料控除(アフラック)

個人年金保険料控除で、多少は所得税と住民税が安くなるのですが、控除額に上限があるので実際の軽減額はハッキリ言ってショボいです。

こういう軽減額は何パーセントお得!というセールストークに惑わされずに絶対額で見るべきでしょう。上限があるんですから。

保険だの年金だの、税金が安くなるだの言葉のイメージに惑わされなければ、当たり前ですが貯蓄は預金ですべきでしょう。
この超低金利時代、どうせ利回りはゼロに近いので、利率などどうでもよくて理不尽な長期の資金拘束をされない分、預金の方が有利です。

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