• 1.いきなり余談


    早期リタイアが現実的なぐらいにおカネが積みあがってくると、将来的にこれを取り崩して生活するか、元本部分に手をつけずに運用益を使って生活するかというのは悩む所だと思います。

    いきなり余談になりますが、私は早期リタイアの資産運用の究極の理想形は国債運用だと思います。満期まで持ちきれば価格変動リスクはゼロで、為替リスクもゼロ、確定利付投資つまり毎年決まった額の生活費が確実に入ってくる投資です。この確実というのが重要です。

    ここまでリスクを限定すると、あと心配なのはインフレリスクだけです。
    これは各自で対処すればいいでしょう。

    これが株式だとインフレをあまり心配しなくていいかわりに、価格変動リスクと減配リスクを負います。
    さらに外国株だと為替リスクも負うので3重苦です。

    国内株式や外国株にそれらの2重、3重苦を吹き飛ばすパワーがある、と信じるのは基本的に良い事だと思いますが、資産形成期にあり希望で目をキラキラさせている若者ならともかく、よい年をして資産形成期が終わりかけている(セミリタイアを考えている)人が言うのは、ちょっと夢を見過ぎなのではないかと思います。現実を見ろと。

    セミリタリア後の資産運用という観点ではもうちょっと希望的観測を排して、地に足のついた現実的な話がしたいところです。

  • 2.米国債利子生活という選択


    しかしながら、マイナス金利下の現状では国債利子生活なんていくら資金が必要なのか夢物語を通りこしておとぎ話に近いものがあります。もしそんなおカネがあったら、運用なんかせずに毎日おカネを使いながら暮らしたいです。

    仮定の話ならもし私が基軸通貨たる米ドルで生活しているなら、全資金で長期の米国債を買ってもう生涯の投資はそれで終わりにすると思います。

    長期の米国債なら利回りも現実的なレベルです。
    最強国家アメリカの国力を背景にしているので、日本国債と違って暴落の心配もほとんどありません。

    長期国債のインフレリスクについては、なるべく利回りの高い(価格の安い)タイミングで仕込むぐらいしか対処の方法はありません。そのリスクこみの利回りですが、他のリスクに比べたら知れていると思います。

    しかし、実際の所は私は大多数の日本人と同じでおそらくずっと日本に住んで日本円を使って生活していると思うので、これも机上の空論に終わっています。米国債でインフレリスクに加えて為替リスクまで負うとストレスのかかる投資になってしまいます。セミリタイアしてまでやる事じゃないと思います。

    つまりセミリタイア後の運用は本当は国債中心が理想ですが、現実を考えるとやむを得ずそれ以外の道をさぐらざるを得ません。

  • 3.資産取り崩し型と運用益で生活型のメリットデメリット


    国債の利回りに期待できない以上、やむを得ず大部分を株式で運用するとして、問題になるのが資産を取り崩して生活するか、元本に手をつけずに運用益で生活するかという話です。
    セミリタイア後の運用として、手に職的なデイトレードやスイングトレードは馴染まないので、ここでは無分配のインデックス投資で取り崩す場合と高配当株の配当で生活する場合で考えます。


    まず取り崩し型のメリットとして、無分配なので投資効率が良く、元本部分を取り崩して売却していく場合は税金が掛からないという事があります。
    取り崩し型のデメリットは、元本部分を売却していくと運用益を生む元本が減っていき、取り崩しのペースが速まることです。


    運用益で生活型のメリットは運用益を生む元本が減らないということです(リスク資産の場合は当然時価総額は変動しますが、投資単位は変わりません)。
    運用益で生活型のデメリットは、利益が出ている以上は確実に運用益に課税されるということです。

    無分配のインデックス投資は理論上最も投資効率は良いですが、投資効率が良いということは利益確定を先延ばしにして大きくリスクを取っているということでもあります。
    将来利益が乗っていれば出口でまとめて課税され、その時に税制がどうなっているかは誰にも分かりません。
    外貨建ての場合はさらに大きく為替リスクを取ることになります。

    運用益で生活型のデメリットの、配当や利子に税金が掛かるということは、逆に言えば一回一回利益を確定しているという事なので、投資効率は落ちますがリスクも減ります。

    メリットとデメリットは背中合わせであって、どちらが優れているという話ではありません。リスク資産で運用する前提では、期待リターンが高いが不確実性も高まるのが「資産取り崩し型」、期待リターンを下げるが確実性が高まるのが「運用益(インカムゲイン)で生活型」と言えます。

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