株主優待制度の是非については、優待制度を好意的に見てこれを積極的に推奨する向きが多くある一方で、批判する声は僅か、あるいは表に出にくい傾向があります。

これは株主優待制度をどんどん拡充する事に正当性があるからそうなっている訳ではなく、そうなる事によって利益を得る人が情報を発信する側に多い為です。

具体的には株主優待制度の拡充によって保身を図る経営陣、優待に関する言説で視聴率や発行部数、PV数を稼ぐマスコミ、優待取得の為の回転売買を推奨する事によって手数料や金利収入が増える証券会社、大きい所では出来高が増える事は何でも歓迎なJPX(日本取引所グループ、東京証券取引所を運営してる所)、小さい所では株主優待専門サイトなどを運営する業者や個人など。

これらは全て情報を発信する側であり、毎日毎日株主優待に関する無批判な情報が一方的に流されているために、情報に非常な偏りが生まれています。

人間が興味を持つのはお金とモノ、食べものの事だから、作家として売れたかったからそれだけ書く事を心掛けていればいい、と語った編集者がいたとかいなかったとかいう話を聞いた事がありますが、確かにSNSで日々流れているのはそういった情報ばかりです。株主優待はまさにその3つを完璧にカバーしていますから、話題としては最適なのでしょう。

このように話題として完璧でマスコミには恰好のネタで、株主はお金(金券類)とモノと食べものが貰えて、経営陣としては株価対策や上場に必要な株主数の確保に有効(ひいては経営陣の保身に有効)で、手数料と金利収入が必要な証券会社には飯の種で、JPXも売買が活発になって出来高が増えて嬉しく、株主優待専門サイトなどを運営する業者や個人は儲かる上に情報を必要とする人に感謝される株主優待制度。

この結構な制度である株主優待制度、一見誰も損していないように見えますが、もちろんそんな事は無くて、行き過ぎた株主優待制度は確実に日本の証券市場や株主の利益、ひいては日本国の国益を損なっています。

次回はその株主優待制度の具体的な問題点についてです。

株主優待ハンドブック 2017-2018年版 (日経ムック)



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