武田薬品工業(4502)、アステラス製薬(4503)、大塚ホールディングス(4578)、第一三共(4568)、エーザイ(4523)、塩野義製薬(4507)などの薬品株は配当金生活に向くでしょうか?

薬品株はディフェンシブ銘柄の一角であり景気動向に左右されにくい業種なので、長期的に配当金を受け取るには向いている要素はあります。

ただし薬品株という業種独自の事情もあり、配当金生活に向いていない要素もあります。これによって一般的なイメージよりはあまり向いていないと言えるかもしれません。

薬品株は新薬の開発の為に常に規模の拡大を強いられていて、同業他社の買収を繰り返す宿命を負っています。

そして規模という点では国内製薬会社は欧米企業に劣り、一位の武田薬品工業(4502)でも世界から見ると10指にも入っていません。

世界シェアでは米国が3割強、欧州が1割5分、日本は1割未満という所です。

製薬業界はまだまだ統合が進んでいないので、今後も大型買収が繰り返されるでしょう。つまり、現在いくら利益剰余金を貯めこんでいてもそれは将来の買収資金であり、配当の基盤になる財務状態は悪化する可能性があるという事です。

現に武田薬品工業(4502)はひと昔前は鉄壁の財務状態を誇っていましたが、近年は大型買収を繰り返し配当性向が100%を超えるタコ足状態が続いていて固い銘柄とは言えなくなっています。

一方で医薬品は基本的に高収益(薬品は原材料費が非常に安く薬価は高めに決められている)なので、主力新薬の特許が切れるまでは収益は約束されています。新薬の開発に成功しさえすれば未来は明るいので、各社不足しがちな開発資源をがガンや精神疾患などの有望な分野に集中させています。

なので製薬は当たれば大きく特許が切れるまでは長期的に安定した収益が見込める業種と言えます。

薬品は景気動向に関係なく必要な生活必需品なので、分類としては防衛的銘柄と言え配当性向も高い傾向があるので配当金狙いの投資としては推奨されがちですが、その実は買収を繰り返す事によって配当の原資となる利益剰余金が蓄積されにくく、当たれば大きいので、どちらかと言うとギャンブル的な業種と言えます。

また薬価が高いと言いましたが、米国のトランプ大統領はここに文句をつけているので、いつまでも高収益体質を維持できるとも限りません。薬価が高いのは訴訟リスクに備えるため許されているという側面もあるので、それほど美味しいだけの話でもありません。海外市場の比率が高まると為替の影響も気になる所です。

薬品株は一般的なイメージと実情が乖離した業種です。業界3位の大塚ホールディングス(4578)などは食品株の顔もあるのでさらに複雑ですね。総合的には、薬品株は配当金生活向きとは言えず、かなり突っ込んだ企業分析が必要な難しい業種になっています。

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