株主還元策といえば、配当、自社株買い、の2つです。

ここに第3の株主還元策として、株主優待を挙げている企業は結構あります。

IRページに堂々と書いてあるんですよ。

典型的な文句としては、「多くの方に永く株主になっていただき、株主様に当社への理解を深めていただく為に株主優待を実施」といった感じです。

クオカードをもらって何をどう会社への理解を深めれば良いのでしょうか、私にはわかりません。

なかには直接的に、1部上場の株主数を維持する為に株主優待を実施しています、と書いてある会社まであります。それ株主還元じゃないだろと。

株主還元というのは、会社の経営に無関心な最低単元株主にエサをまくことじゃないんですよ。そういう会社の志の低さはIRページの書き方にもあらわれます。銘柄選びの参考にすると良いでしょう。


株主優待を配当と同等の株主還元として扱うことは、会社法(株主平等原則など)や会計、税制の観点から適切ではありません。株主優待はあくまでオマケ程度だから許されるのです。

株主優待の情報を株主還元策のページに書くことがすでに間違っているのです。


株主優待を実施して成功したと言われる、株主優待の元祖的なカゴメ(2811)のIRページには何と書いてあるでしょうか。

当社は、年2回、新商品や注力商品等の詰め合せを『株主優待』として全国同日に贈呈しております。本制度は2001年9月からスタートいたしました。この株主優待贈呈については、株主還元と一線を画し、 株主のみなさまには、様々な旬の情報と共にお届けする当社商品を通じて、KAGOMEを知っていただくことを主旨としております。また、毎回実施しているアンケートにて株主のみなさまのお声をお聞かせいただき、企業活動に活かしております。

株主優待(カゴメ)


「この株主優待贈呈については、株主還元と一線を画し、 株主のみなさまには、様々な旬の情報と共にお届けする当社商品を通じて、KAGOMEを知っていただくことを主旨としております。」とはっきり書いてあります。

そのとおり株主優待は株主還元とはっきり一線を画すべきです。優待利回りという用語は、配当と優待を同列の株主還元と解釈した用語だと思われますが、あまり好ましくない用語です。日本の株式投資の環境を今後良くしていくためにも、これは断ち切るべき悪習でしょう。

株主優待の元祖的な存在であるカゴメ(2811)には優待に関するポリシーが見られます。

長期計画的な自社製品の優待の実施によってカゴメ株主は20万人以上いますし、この株主に定期的にアンケートを取って経営に生かしています。

調査によるとカゴメのファン株主は一般消費者より10倍カゴメ製品を購入するらしく、直接的な購買力のみならずカゴメ製品をよく知るこのような株主はカゴメの広告塔になってくれるでしょう。

おそらく、2001年にカゴメの優待を始めた立場の人は、現在の株主優待を取り巻く異常な状況を苦々しく思っているでしょう。カゴメの株主優待の成功を見て、精神を理解せずに形だけ真似る企業が増えすぎたのです。

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