愛媛県にある伊方原子力発電所3号機について、広島高等裁判所は「阿蘇山が噴火した場合の火砕流が原発に到達する可能性が小さいとは言えない」と指摘し、運転の停止を命じる仮処分の決定をしました。


そろそろ電力株に投資するかな、という記事をこの間書いたばかりなので、

過去記事:電力株は配当金生活に向くか?

このニュースには関心がありました。原発の運転停止は穏やかではありません。四国電力(9507)によると一か月原発が停止すると35億円の損失が出るという事です。

このニュースを受けて四国電力(9507)の株が大幅下落、電力株も全体的に下落し、特に連想が働く九州電力(9508)と関西電力(9503)も大きく下げました。

13日の決定で広島高裁の野々上友之裁判長は「四国電力が行った原発周辺の地質調査や火砕流のシミュレーションからは、熊本県の阿蘇山が噴火した場合の火砕流が原発に到達する可能性が小さいと言えず、原発の立地は不適切だ。さらに、四国電力が想定した噴石や火山灰の量は少なすぎる」と指摘しました。


「熊本県の阿蘇山が噴火した場合の火砕流が原発に到達する可能性が小さいと言えず」という箇所が特にインパクトが強く、阿蘇山の大噴火という事態を想定するとそもそも九州の原発は全てアウトだし、全国的な被害が出るので、結局全国の原発がなし崩しに停止になるんじゃないのか?という連想が働いたようです。

それで九州電力(9508)と関西電力(9503)が大きく下がったんですね。

それにしても阿蘇山が大噴火して火砕流が海を越えて愛媛県に到達するケースが過去の地球であったのでしょうか?

外部リンク:第5回  カルデラ噴火! 生き延びるすべはあるか?(NHKそなえる防災)

これによると、過去9万年前に阿蘇4噴火と呼ばれる最大の噴火が起こっていて、火砕流が海を越えて最大で山口県まで達したとあります。ただ愛媛県には達してないようです。

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このレベルの破滅的な大災害だと、火砕流の到達範囲とか小さな問題に思えるので、愛媛の原発より先に熊本県や大分県に住んでいる人の心配をした方がいいと思います……

またこの参考記事を執筆した東大名誉教授(火山噴火予知連絡会会長)の藤井敏嗣氏によると、

もし万一、南九州で阿蘇4のような超巨大なカルデラ噴火が発生すれば、日本中が壊滅状態になることは確かです。


との事で、大噴火を想定して裁判に勝てるなら理論上は日本中の全ての原発の停止を命じる事ができるという事になってしまいます。

いくらなんでもそんな馬鹿な、と思うのですが、現実に高等裁判所でこのような前例ができた以上、今までのように訴訟リスクには目をつぶる事はできても、裁判官の判断で決まってしまう裁判官リスクは無視する事が出来なくなってしまいました。

とりあえず四国電力(9507)は広島高裁に異議と執行停止を申し立て、それでだめなら最高裁での争いですね。

結論としては電力株は従来通り、リスクを織り込んだ十分安い株価なら買える、高ければ買えないという話になります。ただその安さのレベルが大きく下がったのは間違いないでしょう。

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