前記事:配当金の確定申告の考え方の超基本

配当金(配当所得)を確定申告する場合は、譲渡損と配当金の損益通算と、配当控除というものが効いてきます。

損益通算がマイナスになる場合は確定申告すれば翌年以降マイナスを3年間繰り越せるし、配当金の税率は20%に対して総合課税の税率は5%~45%、配当控除は最大10%あるので給与などを合計した課税所得の金額によっては総合課税で確定申告する事によって払いすぎた税金がかえってきます。

総合課税の所得による税率は「330万円を超え 695万円以下」の部分が20%、「695万円を超え 900万円以下」の部分が23%なのでこのあたりがボーダーラインですね。給与所得と配当所得を合わせて900万円を超えるような高額所得者になると残念ながらダメですが、低所得者になるほど還付額は大きくなります。


で、ここで問題になるのは損益通算の範囲(対象となる金融資産)と、配当控除を受けられる金融資産の種類ですね。これを確認していきます。

損益通算の対象と、配当控除を使える金融商品は株式と株式の配当だけじゃないって事です。ここ、知らない人も多いですが重要なポイントです。


2016年1月の税制改正で、上場株式等の対象範囲が上場株式・公募株式投資信託等から特定公社債・公社債投資信託にまで拡大され、上場株式や株式投信などの配当金や譲渡損益と、特定公社債等の利子や分配金、譲渡損益との損益通算が可能となった。

「証券用語集(野村證券)」より引用


「金融所得課税の一体化」の流れで、「上場株式」「株式投信」「特定公社債等」の配当金、譲渡損益、利子、分配金が損益通算可能になっています。

株式、債券とその投資信託(REITも含む)の譲渡損益、配当金(利子、分配金)が損益通算可能だという事ですね。この流れでいずれはデリバティブ(金融派生商品)も損益通算可能になっていけば良いですが、いまのところはここまでです。


次に配当控除の対象となる金融商品ですが、以下のようになっています。

・株式の分配金
・株式投資信託の分配金 
・ミニ株、るいとうの配当金

株式の配当控除率は10%です。これが効いてくるので低所得者ほど総合課税で確定申告するのが有利になっています。住民税は源泉徴収で済ますと5%なので、所得が900万円以下だと23%-10%+5%で合計18%になり、源泉徴収の20%より有利になるわけです。所得が300万円以下だと税率は10%なので配当控除10%は大きいですね。

株式投資信託の場合は控除率が渋く、投信の中身によって異なります。株式組み入れ割合が50%超で5%、25%超50%以下で2.5%。また外貨建て資産の割合が50%超75%以下の場合は半分になります。

株式組入れ割合が25%以下、外貨建て資産の割合が75%超は適用なしになります。課税所得金額によっては控除率が半分になることもありますが高額所得者になるのであまり考えなくてもよいでしょう。

国内個別株が配当控除率が10%で一番有利、次に株式組み入れ比率が高く外貨建て資産の割合が低い投資信託、以下株式組み入れ比率が低く外貨建て資産の割合が高い投資信託ほど不利になるということです。


最後に、配当控除を受けられない金融商品です。配当控除は国内の株式会社の配当に関して法人税との2重課税問題を解消するものと考えれば理解が早いでしょう。

・公社債投資信託の分配金
・REIT(上場不動産投資信託)の分配金
・外貨預金、外貨建てMMFの利息、分配金
・債券の利息
・信用取引の配当相当額
・外国株の配当金


以上、「配当金の確定申告の超基本(損益通算の範囲と配当控除)」の記事でした。

関連記事

スポンサーリンク