スポンサーリンク



スポンサーリンク
ソーシャルレンディングは配当金生活に向くか?

結論から言うと、まったく向いていません。

見た目の利回りがよく高配当なため、ソーシャルレンディングは配当金生活向きと思っている人もいるようですが、私は全然そうは思いません。

理由の大きなものは分配金の所得区分が雑所得で、税制的に不利だからです。

小さな理由は他にもありますがひとつづつ挙げていきましょう。


1 所得区分が雑所得、税制的に不利

所得税の課税方式は「総合課税」と「分離課税」があり、ソーシャルレンディングの分配金は総合課税で所得の区分は雑所得になります。

これは仮想通貨と同じで、株式や債券と損益通算は出来ません。これがまず決定的に不利。

雑所得という事は、税率は累進課税です。

実はソーシャルレンディングの分配金は事業者により源泉徴収されていて、税率は所得税20%+復興特別所得税0.42%の合計20.42%です。

しかしこれは本来の税率とは違うので、確定申告する事により還付を受けるか追加納税する事になります。

所得税の税率は課税される所得金額が195万円以下だと5%、195万円を超え330万円以下の部分は10%(ともに別に住民税10%がかかる)なので、この場合は確定申告すれば還付金が貰えますが、配当控除がない分は株式の配当金より不利です。

さらにソーシャルレンディングの分配金は株の配当金と違って所得税と住民税で別の課税方式を選択して有利な方を選ぶ事ができない(そもそも住民税の源泉徴収がない)ので、確定申告すると保険料その他の判定に影響が出る可能性があります。


人によっては確定申告の必要が無いというケースもあることはよく聞くと思いますが、その場合でも実は住民税の申告はする必要があります。

ソーシャルレンディングの事業者がまとめて前払いしている税金は所得税だけであって、住民税ではないからです。

ちなみに、ソーシャルレンディングの分配金についてはファンドから支払調書が税務署に提出されているので、確定申告をせず住民税無申告の人も市町村の税務部署がその気になればすぐバレるはずです。

つまり確定申告しない人は源泉徴収20.42%に加えて住民税申告10%、確定申告をした人は追加納税か還付金+住民税10%ですが保険料の判定などの影響があります。

株式などとの損益通算不可も大きく、ソーシャルレンディングの税制に有利な事は何ひとつ無いというのが近いです。


2  そもそも見かけほど高配当ではない

ソーシャルレンデイングの分配金の利回りは5~6%から中には10%ぐらいあるものもあり、いっけん高配当ですが実質的な利回りはもう少し低いです。

償還期限があるので株や投資信託と違っていったん投資したらずっと配当金をもらい続けるわけにはいかず、償還されたら次の投資先を探す必要があるので、当然ですがその間は資金が遊ぶ事になってしまいます。

早期償還もよくあるので、税金の事もあって実質的な利回りはもっと低いでしょう。

海外案件の場合は為替ヘッジなし現地通貨建てのものが多いので、この場合は表面的な利回りは絵に描いたモチになりがちです。

もろもろ考慮してこの程度の利回りなら、利回りだけで言えば面倒の無いREITの方がマシです。

だいたいソーシャルレンディングは不動産に貸し付ける案件が多いのでなおさらです。


3 投資の中身がブラックボックスの闇鍋状態で配当金生活に必要な安心の根拠がない

ソーシャルレンディングの案件は中身がよく分かりません。

良心的な業者ならば情報の開示はそこそこしてくれますが、投資家が判断するには不足していて、最終的には業者を信じるしかありません。

いったん業者を信じればあとは問題が起きるまで安心して過ごす事ができるタイプの人は、それでも問題はないのかもしれませんが、私にはとうてい無理です。

安心の根拠が無いという点では、投機ならともかく配当金生活には向いていないと思われます。


4 信託保全のしくみがないので配当金生活に必要な安心の根拠がない

ソーシャルレンディングには業者が破綻しても顧客の資産が保全される信託保全のしくみがありません。

登録業者は金融庁が監督していますが、分別管理が出来ていなくて過去に行政処分を受けている業者がいくつかあります。

この点は信託保全が義務化されているFXの方がなんぼかマシです。

もっともFXも今までに数々の問題を起こしてきて現在の体制になっているので、将来的にはFXに近い形になっていくのかもしれません。


5 お祈り投資なので配当金生活に必要な安心の根拠がない

ソーシャルレンディングの性質上、いったん投資した案件は償還されるまで途中解約する事はできません。

もし途中でヤバい案件である事が判明したり、ヤバい業者である事が判明しても基本的にできる事はありません。

なんとか自分が脱出するまでは無事である事を祈るばかりです。

このあたりの恐ろしさは、コインチェック事件で思い知った人も多いと思います。

何かあった時にただちに離脱できないのは大きく、安心どころの話ではないので、配当金生活には向きません。


6 分散効果が無いか、発揮できない

ソーシャルレンデイングは株や債券、不動産や為替といったメジャーな資産クラスと資産区分が違うので、たとえ少々税制的に不利で利回りが良くないとしても、資産クラスの分散として意味があると考える人はいるかもしれません。

しかしソーシャルレンディングの案件はほとんどが不動産にお金を貸すものであり、不動産市況に影響を受けるので実質的に不動産に投資しているのとあまり変わりません。

パチンコ屋や飲食店にお金を貸す案件がありますが、株式同様もろに景気の影響を受けるでしょう。

特殊な例ではクラウドクレジットのように、海外案件だけの金貸し業をやっている所もありますが、こちらはその国の経済や為替の影響が大です。

このようにソーシャルレンディングは他の資産クラスと領域がかぶっているので、だったら制度的に有利な不動産や株式、債券に直接投資した方がマシでしょう。

ソーシャルレンディングはいったん投資したら、あとは償還されるまで定期的にお金が入ってきて、まるで安定した投資のように錯覚する人もいるかもしれませんが、それは景気の良い時だけです。

景気が悪くなればポシャる案件も増えるでしょうし、最悪業者じたいがポシャるリスクもあります。

経済が好調で今の所潰れたソーシャルレンディング業者もありませんし、案件も安定しているように見えますが、逆風が吹けば分かりません。

価格が日々変動する株式より安定している印象を受けるかもしれませんが、ダメになるときはいっせいにダメになると思うので資産の下支えになる存在ではありません。

資産が分散効果を発揮するためには、何があってもその資産クラスが存続する事が前提になります。

最悪、将来的にソーシャルレンディングというジャンルじたいが無くなっているリスクすらあります。




ことほどさように、ソーシャルレンディングは配当金生活に向いていません。

もし身近な人でソーシャルレンディングを軸に配当金生活をしようとする人がいたら、お前はバカか、絶対にやめとけと強く止めるでしょう。

赤の他人ならほっときますけど。



ここまで書いておいて何ですが、私はソーシャルレンディング(より包括的にはクラウドファンディング)というジャンルは好きです。

既存の金融がカバーできない案件を取り扱うので、ここでしか投資できない案件があるからです。

これだけ長文をダラダラと書けるのも好きだからです。

グラミン銀行などが行っている、マイクロファイナンスと呼ばれる貧困層を対象にした比較的低金利の無担保融資に投資できるのもこのジャンルだけです。

(注:いちおう、マイクロファイナンスの投資信託もありますが、大和のマイクロファイナンスファンド以外には知りません。あまり面白いファンドではないです)

マイクロファイナンスが無い国(日本もそうです)では、銀行にお金を借りられない層はいきなり高利貸し(日本だとサラ金)にお金を借りるはめになります。

こういう時にその中間をソーシャルレンディングが担うようになれば、もう少し金融に融通がきくようになるのではないでしょうか?

銀行は金を貸さないから嫌われ、サラ金は高い金利で金を貸して嫌われます。

べつに顧客の信用状態に応じた金利で金を貸しているだけだと思いますが、銀行とサラ金(あと非合法の闇金)の間の金利の開きが大きすぎるから、客のニーズと信用状態がマッチしてないように思えます。

ソーシャルレンディングがそのスキマを埋めるようになればいいと思います。

ソーシャルレンディングの仕組みと社会的意義が分かり、シャレの分かる人が投資する分にはぜんぜん構わないでしょう。私も少しだけですが投資しています。






クラウドクレジットは海外案件に特化したソーシャルレンディング業者です。

社長がブログやTwitterで積極的に発信しているし、社員の顔が見える会社です。

ソーシャルレンディング業者特有のうさん臭さがあまりありません。危うさはありますが(笑)

もともとリスクの高いソーシャルレンディングでさらに為替の影響もあるので、かなり目に見えないリスクのある投資になりますが、情報開示に積極的なので内容に納得できればシャレの分かる人は投資してもいいでしょう。

私は最初期からこの会社のペルー案件に少しだけ投資しています。いわば古参の人柱です。

スポンサーリンク



スポンサーリンク