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就職氷河期世代の舞台背景とは

就職氷河期世代の話を考えていたら、90年代後半の世紀末的世相が思い出されてきました。この時代をよく憶えていないか知らない若い人や、忘れた古い人に、雰囲気を知ってもらうのにどうしたらよいか考えると私の好きな小説が思い浮かびます。「波のうえの魔術師」(石田衣良)です。

なんせ、出だしからこうです↓

さあ取引を開始しよう。おれの話は日本経済が破局に一番近づいた1998年、あのぼんやりとあたたかな春から始まる。


前年の1997年は不祥事や大型倒産が相次いで、もう日本オワタ、という年でした。

総会屋への利益供与で逮捕者が続出。
第一勧銀、野村證券、味の素、三菱グループ、日立グループ、東芝その他いっぱい。

倒産したのが、

東食
東海興業
多田建設
大都工業
北海道拓殖銀行
徳陽シティー銀行
三洋証券
山一證券
丸荘証券
日産生命保険
ヤオハンジャパン

あと、あおぞら銀行(8304)の前身である日債銀が経営再建策を発表し、日本長期信用銀行と共に翌年の金融危機の主役になります。このあたりは小説にも出てきます。

倒産集計1997年度報(帝国データバンク)

もう株なんかやる奴は馬鹿、という状況なのですが、小説の舞台である1998年は実はバブル崩壊後の大底(その時点では)でした。つまり空売り屋にとっては最後の大舞台です。

就職浪人でパチプロの主人公が、謎の老相場師に声を掛けられて大都市銀行であるまつば銀行の株価操縦に加担していく話の舞台背景は、こんな感じだったわけです。これを踏まえて読むと面白いですよ。


波のうえの魔術師 (徳間文庫)



ビッグマネー~浮世の沙汰は株しだい~ DVD-BOX


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コメント

No title
懐かしいなあ、まさに僕が大学4年のころかな、山一の社長の、社員は悪くありませんから!、というお涙会見が印象に残っています。
Re: No title
> 懐かしいなあ、まさに僕が大学4年のころかな、山一の社長の、社員は悪くありませんから!、というお涙会見が印象に残っています。

最近、東芝の社長も同じことを言ってましたね。態度はしれっとしてましたけど。

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