【朗報】令和4年(令和3年分)から配当所得を個人住民税で申告不要とする場合、確定申告書のみで完結するようになる

タイトルでピンとくる人にはこの通りの話です。

特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得の全部において源泉分離課税(申告不要)とする場合に、原則として、確定申告書の提出のみで申告手続きが完結できるよう、確定申告書における個人住民税に係る附記事項を追加する。
(注)上記の改正は、令和3年分以後の確定申告書を令和4年1月1日以後に提出する場合について適用する。

令和3年度税制改正大綱40Pより引用


まだ来年の話なので今年はいつも通り市区町村の役所にも書類の提出が必要になります。来年また記事を書く時に根拠文書を探す事になるのでメモ代わりに記事にしました。

そもそも何の話をしてるのか分らん!という人や、制度は知ってるけどやり方はどうだったっけ?という方は以下のリンクより申告不要制度の概要をどうぞ。

【超朗報】上場株式等の配当の課税方法、実質見直しで所得税と住民税を別々に分けることができる!【配当生活に追風】

配当所得絡みの確定申告については以下のリンクもどうぞ

【確定申告】配当金生活の確定申告まとめ

2022年4月からの東証新市場区分で株主優待文化は滅ぶ!?

「株主優待が滅ぶ」は言い過ぎだと思いますけど、このままいくと確実に影響は出そうです。

JPX公式へのリンク:新市場区分の概要等の公表について

現在の東証1部2部マザーズジャスダックという市場区分を、「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」(いずれも仮称)の3市場に再編する計画が進行しているのは報道等でよく知られていると思います。

JPXのロードマップによれば2022年4月に新市場区分に一斉移行する予定です。

記事によれば、優待制度の存続にとってここで問題になるのは、株主数による上場基準及び上場維持基準の変更という事です。

現行制度では東証1部で上場時で株主数2200人以上、上場維持に2000人以上の基準が、一律800人以上と大幅に緩和される予定。

東証1部といっても昔と違って今ではピンキリで、株主数数十万人以上の大企業から、それこそ上場維持基準を気にするレベルの企業まであって、だからこそ有名無実化した市場区分の見直しの話が出たと言えます。

そして大企業はともかくこうしたギリギリ企業が株主優待を実施する理由は、表向きの綺麗ごとを抜かせば、まさに最低限の株主数を確保するため、それだけです。

これはうがった見方ではなく、実際に企業への聞き取り調査でもそうなっています。

以上,株主優待実施の目的に対する回答は以下の 3 点にまとめることができる。第 1 に,優待品の内容に関わらず,個人株主の獲得,増加といった株主構成の変化が株主優待を実施するうえで最も重要視されている。第 2 に自社製品サンプルでは株主の獲得,長期保有に加え広告宣伝効果や販売促進効果も目的とされている。そして第 3 に,非自社製品サンプルでは広告宣伝効果など,株主構成,株主への利益還元以外の点で株主優待特有の目的を持っている企業は多くはない。
日本企業における株主優待導入の目的: 上場基準との関係「3.2 株主優待実施の目的」より引用


すなわちこうした株主数の確保のみを目的に優待を実施しているギリギリ企業にとっては、優待を続ける理由がほぼ無くなる事になります。最低2000人といっても安定するには4000人は必要という話ですから、これを気にしてきた、ざっくり株主数数千人規模の優待実施企業については、優待廃止のリスクが出てきたと言えるのではないでしょうか。今までとは逆に。

いきなり優待廃止は株価に悪影響なのは分かりきっているので、ありそうなのは優待コストがかさんで業績にも悪影響を及ぼしている企業がやむなく廃止するか、あるいは逆に業績好調な企業が今のうちという事で増配と抱き合わせで廃止を発表するとかですかね?

もちろんその場合の表向きの理由は「公正な株主還元のため」とかでしょうね。ホントは優待乞食株主はもう必要なくなったから廃止するんですけど。

2022年4月までまだ猶予があるので、株主優待銘柄を保有している人は、財務状態とともに株主数もチェックしてみると良いかもしれません。

株主優待文化という点では、大きいのは新規上場銘柄への影響でしょう。株主数が少ないのは主に新規上場から日の浅い銘柄が多いので、今後は上場から一切優待を新設しない企業も増えてくるかもしれません。長い年月をかけて古い企業と新しい企業が入れ替わった時、日本の株主優待文化は滅んでいるかも……?

【年末恒例】損出し節税クロス取引による税金先送りテクニック【合法】

【年末恒例】損出し節税クロス取引による税金先送りテクニック【合法】

今年も年末が近づいて、人によっては損出し目的の株式売却を考える時期になってきました。

配当金生活は高配当株の継続保有により配当金を貰い続けるのが目的なので、基本的に一度買った株は投資の前提条件が変わらない限り売る事はありません。

例外としては年末に限り、含み損の銘柄を売る事があります。単に含み損の銘柄を売るのは損切りと呼ばれますが、節税目的(厳密には税金の先送り)の売却は損出しと言います。

含み損の銘柄を売って損失を確定する事によって、その年にそれまでに確定した利益(売却益及び配当金)があれば払い過ぎた税金が還ってきます。

広い意味では単に確定利益に売却損をぶつけて利益を相殺する事も損出しと言いますが、これで終わると以後配当金を受け取れなくなり単なる損切りとも言えます。

単なる損切りではなく、いったん売って損失を確定し、翌営業日に同一銘柄を買い戻すのです。

注意するのは同一営業日でやっては駄目な事です。

特定口座のルールとしては同一営業日の売りと買いは買いが先に計算されるので、買い付け平均単価が変化してしまい損出しの効果が減ってしまいます。これを避ける為のやり方です。

ただしこのやり方は営業日をまたぐので、思った値段で買い戻せない可能性があるのが難点です。どうしても同一営業日にしたければ複数の証券会社の口座でやる方法もありますが口座の管理は面倒になります。また複数の証券口座で損益通算を行うための確定申告が必須になります。

(複数の証券口座を使って同一銘柄の売りと買いを行う、などの怪しい動きは仮装取引、相場操縦を疑われ違法になる可能性もあります)

 

さてここからが本題になりますが、信用口座があるなら損出しは通常はクロス取引を行います。

具体的な手順は、同一営業日に現物売り、信用買い、翌営業日に現引(げんびき)です。

現物口座と信用口座は買い付け平均単価の計算が別なのでこれで問題ありません(現引現渡は現物取引の取扱い)

より具体的なやり方としては、なるべく出来高の多い時間帯である寄り付き前に、現物成行売り、信用成行買いの注文を出しておきます。

これで同値で取引されるので、現物取引のように売値と買値の差を気にする必要もなく簡単です。

また出来高の多い寄り付き一回で取引を終えるので、自分の取引で価格形成に影響を与えないように配慮したやり方です。

(それでも極端に出来高の少ない銘柄では注意して下さい)

あとは翌営業日に現引きして終了です。

外部参考リンク:同一銘柄を2回以上にわたって買付けた場合の取得価額はどのように計算するのですか?(マネックス証券)

こうする事によって損失を計上し、その年の譲渡益や配当金と損益通算する事によって、払い過ぎた税金が戻ってきます。

源泉徴収ありの特定口座なら譲渡益に課税された払い過ぎの税金はそのつど還付されますし、配当金の税金は翌年の1月にまとめて還付されます。

損益通算して引ききれないマイナスは3年間繰り越し(確定申告が必要)できます。

マイナスを翌年に繰り越した時は、翌年は逆に利益を確定(益出しと呼ぶ)して、無税で含み益を実現益に換える事もできます(確定申告が必要)

やってる事は税金の先送りなのですが、配当金生活は基本的に保有株は売らずに配当金を受けとり続けるので、なんなら一生利益を確定せずにいくらでも先送りできます。

年末はこういった損出しの為の売却があちこちの銘柄で観測されます。これが年末の株安の原因のひとつにもなっています。

私は例年11月くらいから損出しクロス取引の計画を立て始めます。

1月からそれまでに受け取った配当金がそれなりの額になっており、どの含み損の銘柄を売却して損益通算したら良いか計画が立てやすくなっているからです。

損出しクロス取引には、心理的なプラス効果もあります。

ネット証券の含み損の口座画面を眺め続けるのは不愉快な事ですが、いったん処理して確定損にしてしまえば節税にもなり、マイナスが画面上から消えるので以後は心理的に楽になります(笑)

毎年こうした損出し取引を続けて税金の先送りを続けていくと、自然とポートフォリオは含み益の銘柄が多くなっていきます。

新年を新しい気持ちで迎えるために、ここはプラスに考えましょう。

最後に念のためもう一度細かい注意点を挙げておきます。

年末に出来高の少ない小型株の板(売買の注文状況)を観察していると、薄い板をぶち抜いて派手に損出しする人が見受けられることがあります。

損出しは基本的には合法ですが、仮想売買といって相場操縦が疑われるような取引は違法になる恐れがあります。

取引量の少ない零細の個人投資家にはあまり関係ない話ですが、怪しい動きは止めましょう。

自分の売りに自分の買いをぶつけて活発を装うような取引は仮想売買にあたります。ネット証券の場合は自動的に警告文が表示されますが、出来高に占める自分の取引の占有率にも注意です。特に小型株の場合は出来高がほとんどない場合があるので、個人投資家でも注意が必要です。

なお、税制上の最終取引日は受渡日がベースになるので、損出しはその日までに処理を終えなければなりません。

うっかり大納会などに損出しをしたら、それは翌年の分になってしまいます。

2020年は12月30日(水)が大納会なので、その2営業日前の12月28日(月)が税制上の最終取引日になります。配当権利落ちや優待権利落ちでもおなじみですね。(2019年7月26日から受渡し日が「2営業日後」(T+2)に変更になりました)

※確定申告をする事を条件に、上場株の売却損は売却した年の翌年から3年間繰り越す事ができます。つまり、年末に売れば丸3年、年始に売れば実質丸4年の期間がある事になります。3年かけても消化できなさそうな大きな含み損がある人は年末ではなく年始に売る事も検討する価値があります。

※長期保有が条件の株主優待銘柄について
近年は長期保有を条件に優待内容が変化する銘柄が増えています。クロス取引による優待タダ取りに対する対策ですが、節税のためのクロス取引や現物取引の損出しもいったん売却して買い戻すので、これに引っ掛かる可能性があります。株主番号が変わってしまう可能性があるからです。