- 投稿 2016/06/07 更新
- 資産運用関連 - 投機論
前回の記事:ギャンブル(投資・投機)の要諦は「最初に勝つこと」にある 続き
ミス無く登った山は簡単に思えるものです。しかし登山には常に危険が伴っていて、不注意から大きなミスを犯すと途端に登頂は困難になってきます。
株式取引にも同じ事が言えます。初期に大きなミスをして大穴を開けてしまうと、その後の取引は延々と原資を回復するだけの困難なゲームに挑まなければなりません。原資回復ゲームは困難なゲームです。
多くの人が穴に落ちたあとになって、落ちた穴の大きさに気付きます。
もし暴落に巻き込まれて持ち株の評価額が半分になったとすると、原資を回復するためにはそこから持ち株が2倍に値上がりしなければなりません。
短期間に半分になってしまうような株に、そこから2倍の値上がりが期待できるでしょうか?
他の株に乗り換えるにしても、短期間に半分になってしまうような株を掴んでしまう人が、はたして2倍株を見つけだすことができるでしょうか。逆にさらに半分になる株を掴みそうです。
しかも成功したとしても、やっと原資を回復しただけの話です。
半分とまで行かなくても、33%の下落でも元に戻るには50%の値上がりが必要です。穴に落ちない事の重要性が分かると思います。
ところで穴に落ちてしまったとして、取り返そうとして焦って取引を繰り返すのはオススメしません。これはギャンブルにおける定番の負けパターンです。
ではどうするかというと、いったん取引をやめて真面目に働いて種銭を追加しましょう。くれぐれも何の勝算も無いのに、勝負を続行しないようにしましょう。
100万円が半分の50万円になっても、そこから950万円を追加すれば種銭が1000万円になります。損を取り返すには5%の利益を上げればいいだけですから、2倍にすることを考えたら簡単に思えるでしょう。
あとはまあ、種銭を貯めている間にどうして最初の資金が半分になってしまったのか原因を真剣に考える事ですね。失敗は身に沁みているので研究は真面目にやるでしょう。今度また同じ事をやってしまったらマイナス500万円です。
退職金で初めて株をやるというのがいかに自殺行為に近いかよく分かると思います。なるべく株は若いうちから始めたほうがいいでしょう。
次の記事は「逆正弦定理について」です。負けを取り返そうとして逆にハマる現象は確率論でもある程度説明できます。
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