- 投稿 2016/09/20 更新
- 資産運用関連 - 投機論
これは難しいところです。
株式投資(裁量取引)をやる人の8~9割が負けて終わるというのは、トレード行為そのものに人間心理に対するワナが仕掛けられているからです。
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勘のいい人はすぐにこれに気が付きますが、退場するまで気が付かない人もいますし、何年経っても気が付かないのんきな人もいます。
このあたりは確かに勘やセンスの問題かもしれませんが、この程度の事ならもし株式投資の学校があったら最初に教わるレベルの事かもしれません。しかし初心者向けの教材でそんな記述を見た事はありません。
勘やセンスを問う前に、トレードのやり方の教育法が確立してないだけの話じゃないかと思います。
株の値動きは物理法則でもなんでもないのに、チャートには不思議と物理法則に似たパターンが現れる事があります。これは人間の考える事にはパターンがあるからです。
訓練を受けていない人間は、局面局面で必ず決まった行動を取ります。自分で考えているようで、実は反射的に行動しているだけです。
江戸時代の米相場の技法がいまだに通用する場面がある事を考えると、おそらくこの先何年たっても人間の行動パターンは大して進歩しないでしょう。
人間心理の裏を取るという意味では、うまく行った詐欺は一種の芸術に見えます。心理の死角を突くという意味では手品もそうです。
うまくいったトレードも一種の芸術に見えますから、そういう意味では株式投資にはアートとしての勘やセンスは必要なのかもしれません。
しかし考えてみれば、手品はある程度のレベルまでは学校などで教わる事が可能です。詐欺の学校は無いでしょうが、オレオレ詐欺などは手口をカリキュラム化して教えているはずなので、これも教わる事ができます。
同じようにトレードも単なる技術として学校で教わる事は可能なはずです。ある程度のレベルまでは。
勘やセンスが問題になるのは義務教育卒業レベルに達してからですね。そこまで学習が進まないうちに勘やセンスを語るのは違和感があります。