配当所得に関して、所得税は総合課税、住民税は申告不要(源泉徴収で終了)で申告する事により、国民健康保険料などの判定に影響を及ぼす事なく、配当控除のメリットだけを受けて税金を安くする事ができます。

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配当金生活では源泉徴収と比べていくら安くなるのか、具体的に計算してみます。

モデルケースでは日本株1億円、配当利回りを3%とし、税引き前の配当所得300万円のケースで考えてみます。配当以外の所得はゼロとします。

源泉徴収では、20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%、地方税5%)が源泉徴収され、そこで申告不要制度を利用した事になり課税が終了になります。何もしないでいいのでラクではありますが……

この税率だとざっと税金61万円弱です。1億円の資金を用意しても、300万円の配当のうちこれだけ税金を持っていかれるとなかなかツラいですね。

そこで確定申告する事を考えます。

源泉徴収ありの特定口座でも、あえて配当所得を確定申告する事はできます。

わざわざ確定申告するのは配当控除を受ける為ですが、住民税を申告するメリットは配当控除を考慮してもほぼ無いので、所得税のみ総合課税で確定申告し、住民税は申告不要制度を利用(市区町村役場に別に申告)します。

すると課税は次のようになります。

・所得税10%(累進課税。課税所得金額195万円超 330万円以下のゾーン)で配当控除率10%、正味税率0%。所得税率5%(課税所得金額195万円以下のゾーン)で配当控除率10%、正味税率0%(控除しきれない分は他の所得に係る税額から控除できる)
・住民税5%(申告不要制度を利用。源泉徴収のまま)

合計で5%になり、このケースで金額にして15万円になります。

つまり日本株1億円、配当利回り3%、配当金300万円、その他の所得ゼロのケースで、税引き後の配当金は源泉徴収の場合は240万円弱所得税は総合課税、住民税は申告不要で別々に申告した場合は285万円になります。

確定申告の方法を検討するだけで、その差はなんと45万円ちょいにもなります。

この例では所得が配当所得のみで非常にシンプルなので間違えようがないですが、実際は人によって収入の種類や家族構成などは全然違うので多少損益分岐点の計算が複雑になります。

しかしそれでも基本的に配当所得を所得税は総合課税、住民税は申告不要(源泉徴収で終了)で申告する事によって所得税で配当控除を受け、住民税は申告不要で5%に留めるのが有利なケースが多いのは間違いないでしょう。低所得者は特にそうです。

法律改正で配当所得を確定申告しても住民税を申告不要に出来る事が明確化されたので、国民健康保険料などの判定に影響しなくなり、以前のように社会保険料込みでの複雑な損益分岐点の計算をする必要が無くなりましたし、住民税で配当控除を受けるより申告不要とした方が住民税の税率も安くなるからです。

以下は簡単な判定表です。

h.png ※復興特別所得税を一部省略しています

330万円以下だと所得税がゼロになるので一番美味しいゾーンです。195万以下の部分は配当所得だけだと控除が余る形になっているので他の種類の所得を増やす事を検討しても良いかもしれません。

330万円超695万円以下の部分も源泉徴収に比べ5%ほども安くなります。695万円超900万円以下でもまだ少しだけ安くなりますね。なので課税所得金額が900万円以下の人は住民税の申告書を別に提出する事を条件に、確定申告して損をする事はありません。

参考記事:【配当所得】所得税と住民税で別々の課税方法を選択する手続きについて市役所で聞いてきました

配当金生活と言えるほど配当所得がある人は、表を見ながら他に個人事業、アルバイトなどでいくらまで稼ぐのが効率が良いか考えると良いでしょう。

現在そこまで配当所得が無い人も、税制的にお得なのは明らかなのでサラリーマンをしながら配当所得を増やしていくモチベーションにつながるのではないでしょうか。

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