また2019年度の税制改正に向けては、株式の配当や売却益など金融所得への課税を強化するかどうかが焦点の一つとなる見通しです。
見直しが実施されて増収になる場合には軽減税率の穴埋めに充てられる可能性があり、政府と与党の税制調査会は年末までに結論を出す方針です。


NHKのニュースですが最後にポロッと重要な一文が挿入されています。専業投資家や配当金生活者にとっては正月からけっこう重大なニュースです。

現在20%の株式の税金を上げるとしたら25%ぐらいですかね?

こんな事をやられたら個人投資家としてはたまったものではありませんが、そもそも株式の税金はどのぐらいが適正なのでしょうか。また今までどういう経緯で株式の税金は決まってきたのか。


外部リンク:利子・配当・株式譲渡益課税の沿革(財務省)

株式の税金の歴史を俯瞰(ふかん)してみると、戦後の昭和22年に配当課税、株式譲渡課税ともに総合課税からスタートしています。

昭和23年には早くも配当控除制度が創設されています。

以後、株式譲渡益課税が非課税になったりしてますが、基本的には株式の利益には課税されていく流れです。

配当金に関しては昭和40年に源泉分離課税が選択式で創設されています(現在は選択制は廃止)。

興味深いのは、昭和40年から53年までに源泉分離課税が15%→20%→25%→30%→35%と段階的かつ矢継ぎばやに引き上げられていることです。(申告不要の方も10%→15%→20%と引きあげられていますが、この辺の事情はよく分かりません)

国が本気になればここまで上げる事も可能なのでしょうか。時代が違いすぎるのでいちがいには言えませんが。


現在に続く大きな流れが決まったのは平成15年度です。

配当に関しては、源泉分離選択課税の廃止。株式譲渡益に関しては申告分離課税に一本化。税率は20%です。(この年に同時に軽減税率を導入して時限措置で税率は半額の10%になった)

特定口座制度が始まってからは株式譲渡益の課税も、源泉徴収ありの特定口座内で源泉徴収が可能になりました。今ではこちらの方が主流でしょう。

大きな流れとしては金融資産同士で損益通算が可能になっていくなど、平成15年度以降は証券税制は整備が進み軽減税率の終了を除くと基本的に納税者にとってはどんどん有利になっていきました。


私個人的にもこの税制改革の流れがなければ、専業投資家になったり配当金生活に入ったりすることはなかったでしょう。そのぐらい重要な改革でした。

もし株式の配当や売却益など金融所得への税率引き上げなどの課税強化があるとしたら、平成15年以降で初の反動の動きになります。

消費税増税という微妙なこの時期に、さらなる増税は政治的には考えにくいです。景気と株価に与える悪影響が大で、本当にやったら場合によってはアベノミクスに大打撃を与える致命的な一撃になってしまい、増税失敗の例として教科書に載るかもしれません。ちょっと大げさですかね。

とはいえたとえこの時期に増税が実現しなくても、結局は税率20%から半減10%への軽減税率が終了したように、景気が回復して制度が成熟し増税に耐えられると判断されたら、いつか課税強化はありうるのかもしれません。その場合もやり方はいろいろとあると思うので、自国の歴史だけでなく外国の税制も参考にしながら議論を注視していきたいところです。

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