配当金の金額を決める目安としては配当性向が一般的に使われます。

配当性向は当期純利益に対する配当額を示すもので、例えば利益が100億円で配当性向が50%だと50億円を配当するということで、明確で分かりやすいです。

ただ利益は変動が激しいので、配当性向の基準を厳密に適用すると毎年配当金が上下してしまうし、赤字の時は無配になってしまいます。

そこでもう一つの配当の目安として株主資本配当率 (DOE)を採用している企業もあります。

株主資本配当率 (DOE)は「年間配当総額」を「株主資本」で割ったものです。

当期純利益だけに注目する配当性向より、株主資本に注目する株主資本配当率 (DOE)の方がどれだけ効率的な経営が行われているか分かりやすいという事もあります。

例としてKYB(7242)の利益配分の基本方針を見てみます。

当社は、株主の皆様への適切な利益還元を重要な経営政策とし、従前から連結ベースでの株主資本配当率2%(年率)以上の配当を基本方針としておりました。なお、2017年度以降の配当方針につきましては、連結配当性向30%を目指しつつ、従来の連結ベースの株主資本配当率2%(年率)以上の配当を基本方針としてまいります。
また、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を基本としております。

配当金について(2018年3月31日現在)



2017年度以降は配当性向30%を目指しつつ株主資本配当率2%以上の配当を基本方針とするとあります。

KYB(7242)が今回の不祥事で利益を大きく減らしたり赤字になった場合は、配当性向ではなく株主資本配当率2%以上が基準になります。

計算は簡単です。

四季報によるとKYB(7242)の自己資本は1813億円です。

2%を配当するという事は配当総額は36.26億円。

これを発行済株式数から自己株式を除いた2554万株で割ると、一株あたりの配当金は約140円です。


現在の配当が150円だから、わずか10円の減配です。

本当に赤字でもこれだけ配当を維持できるのなら、株価(配当利回り)によっては買いと言えるかもしれませんが……


問題は言うまでもなく、本当に今後も配当を維持していけるかどうかですね。

四季報によるとKYB(7242)は2016年にも赤字を出していますが、この時は株主資本配当率2%以上を基準に110円の配当を出しています。

しかし今回はその社会的影響の大きさから考えても、単純に比較できない非常事態です。

ダンパーの交換費用や賠償金額が想定の範囲内に収まれば良いですが、そうならなかった場合は株主資本自体に傷が付くので、今後も配当維持できるかどうかは不透明になってきます。

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