- 投稿 2016/07/06 更新
- 資産運用関連 - NISA
初心者向けと言いながら、分かりにくいという評価が定着しているNISA口座です。
意外と簡単?!NISAの基本が5分で!早分かり!(SBI証券)
一応SBI証券の解説ページのリンクを張っておきますが、初心者が5分では分からない事は受けあいです。
上級者でもマニア以外は完全に把握してる人は少ないのではないでしょうか?そもそも上級者は使いにくいNISA口座など積極的に利用しないような気がします。
取り敢えず有名な「罠」だけ簡単におさらいしておきましょう。
非課税なはずのNISA口座で課税される2つのケースです。
1 非課税期間終了後に含み損が発生していた場合
NISA口座内では枠内でいつでも自由に株式を売買できます。売却の時いくら利益があっても非課税です。
5年間の非課税期間が終了した後は通常の口座に移管するか、当該年の非課税枠を使ってさらに5年間延長(ロールオーバーと言います)するかの選択になります。ロールオーバーした場合も、5年後にまた期限が来るのでずっと保有し続けるならいずれは通常の口座に移すことになります。
もしこの時含み損が発生していた場合は問題です。通常の口座では含み損の出ている株式を売却した時は税金はかかりません。利益が出てないのだから当然です。
NISA口座の場合、例えば株価100円の時に1万株、総額100万円分の株を買ったとして、非課税期間終了後にこれが株価50円、時価総額50万円になっていたとします。これを通常の口座に移管する場合、現行のルールでは株の取得価格は最初に買った100円ではなく移管時の株価50円になります。
その後株価が回復して100円に戻ったとして、やれやれと売却すると取得価格50円に対して50円の利益があった事になり、回復した株価分50万円が利益とみなされ20.315%の税金が課税される事になります。実際は1円も儲かっていないにも関わらず、です。
ちなみにNISA口座と一般口座の損益通算は出来ないので、ロールオーバーが出来なくなった時点で含み損の場合、もう逃げ場はありません。通常の口座ではできる損失の繰越もできません。
これが有名かつ理不尽なNISAの罠の1つ目です。
「5年後に値上がりしてれば問題ないんだろ?ヘーキヘーキ」と楽観的だった人も昨今の株価下落でそろそろ真面目にこの問題を考える必要が出て来ました。
2 配当金を受け取る場合の、受け取り方法
NISA口座内で配当金を受け取る時は当然一切税金は掛かりません。
ん?NISA口座内?
カンのいい人はここで気がつくと思いますが、配当金の受け取り方法は大きく分けて、
1 証券口座に入金
2 銀行口座に入金
3 ゆうちょ銀行の窓口で直接受け取り
の3つがあります。
このうち、NISA口座で税金が非課税になるのは、1の証券口座に入金した場合のみです。
考えてみたら、銀行口座への入金やゆうちょの窓口での受け取りにNISA口座は一切関係ないのだから当たり前です。
しかしNISA口座で初めて株を始めるような初心者にとっては全然当たり前じゃないですね。意味不明でしょう。ここは国が方針を示して金融機関の方でしつこいぐらい説明する必要があると思います。
特に昔は配当金の受け取り方法は窓口での受け取りか銀行振込(それもいちいち銘柄毎の個別指定!)しか無かったので、おじいちゃんおばあちゃんにとってはカブシキスウヒレイハイブンホウシキ(株式数比例配分方式)がどうのこうの言われても意味不明でしょう。
郵便局の窓口で配当金を受け取るのを楽しみにしている人もいますしね。
以上、NISA口座の罠、代表的な2つを紹介しました。こんなのマニアじゃないと分からないって!このマニアックな制度がどうして初心者を対象に売り込まれているのか理解に苦しみます。
多分数年後に大騒ぎになるでしょう。のんきな人は10年以上後になって気がつくかも。おそろしい…
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