カテゴリー:税金・確定申告

平成31年度税制改正大綱では、給与所得の源泉徴収票など一定の書類の確定申告書等への添付不要が盛り込まれた。平成31年4月1日以後に提出する確定申告書等に適用する。

(中略)

改正により紙ベースでも添付不要となる書類は、(1)給与所得、退職所得及び公的年金等の源泉徴収票、(2)オープン型証券投資信託の収益の分配の支払通知書、(3)配当等とみなす金額に関する支払通知書、(4)上場株式配当等の支払通知書、(5)特定口座年間取引報告書、(6)未成年者口座等につき契約不履行等事由が生じた場合の報告書、(7)特定割引債の償還金の支払通知書、(8)相続財産に係る譲渡所得の課税の特例を適用する際の相続税額等を記載した書類。

確定申告が電子申告に移行する中で、それに合せてどんどん事務手続きが簡略化される感じで良いですね。

関連記事:電子交付の「特定口座年間取引報告書」を印刷したものは確定申告に使えない?


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電子交付の「特定口座年間取引書」(PDFファイル)を印刷したものは確定申告の添付書類として使えるか?

これも毎年アレどうだったっけ?と話題になりますが、結論から言うと使えません(平成30年分まで)

どの証券会社のQ&Aでも使えない、と書いてあります。

当社からお客さまに電子交付にて提供する「特定口座年間取引報告書」および「上場株式配当等支払通知書(外貨建の配当金等)」は、確定申告の際の添付書類としてご利用いただくことができません。

年間取引報告書等の発送について(SBI証券)

なお、電子交付閲覧画面から印刷された「特定口座 年間取引報告書」は、確定申告には使用できません。

年間取引報告書を電子交付で閲覧したいのですが、できますか?(楽天証券)

ただし、電子交付された特定口座年間取引報告書等、一部の書類は確定申告時の添付書類としてご利用いただけません。

電子書面は税務署に提出する証明書類として認められますか。(松井証券)

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ただこの記事を読んでいる人の中でも、「アレ?PDFファイルを印刷したやつで毎年確定申告してるよ?」という人もいるかもしれません。法律では使えないはずなのですが、現場レベルでは結構うやむやになっているのかもしれません。

みずほ証券ではこういう書き方になっています。

電子交付された「特定口座年間取引報告書(PDFファイル)」を印刷したものは、確定申告に使用できない場合があります。

電子交付される「特定口座年間取引報告書」は確定申告に使えますか?

なぜ使用できませんと書かないのか考えると、たぶん使用できないと書くと俺は印刷して申告して通ってるけどどうなってるの?とさらに質問が来て面倒臭い事になるからだと推察します。

基本的に証券会社に細かい税金の手続きの問い合わせをしても無駄で、税務署に聞いて下さい、となるだけです。

この使えません、いや使えたよ?のちょっと不毛なやり取りが毎年繰り返されていたのですが、調べていくと平成29年の税制改正でこの問題が解決されていた事に気が付きました。

上場株式等に係る配当所得等又は譲渡所得等の金額を申告する際に確定申告書等に添付する特定口座年間取引報告書の範囲に、金融商品取引業者等から電磁的方法により交付を受けた当該特定口座年間取引報告書に記載すべき事項が記録された電磁的記録を一定の方法により印刷した書面で、真正性を担保するための所要の措置が講じられているものとして国税庁長官が定めるものを加える。

平成29年度税制改正の大綱(財務省)

これが平成31年分(2019年分)の確定申告から有効なので、来年からはこの問題で揉めなくて済みそうです。来年からは印刷したものも使えます。いやあ良かったですね。

関連記事:来年からは紙ベースの確定申告でも特定口座年間取引報告書の添付は不要
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配当所得のある人はサラリーマンでも確定申告しよう、という話です。

株の配当金の税率は20.315%ですが、その内訳に関心がある人は少ないです。

配当金の税金は源泉徴収なので、大半の人は配当金を貰って税金に関心もなくそのままスルーなのです。

実にもったいない。この内訳がミソなのに。

源泉徴収される配当金の税金の内訳は、所得税が15.315%(端数は復興特別所得税というやつ)、住民税が5%です。

ところが配当所得を総合課税で確定申告する場合は、所得税が合計所得に応じた累進課税で、住民税が10%になります。ここから所得税も住民税も配当控除が適用されます。

住民税がミソです。

住民税は配当控除を適用しても最大7.2%までしか下がらないので、住民税に関しては源泉徴収のままで申告不要とした方が常にお得です。

所得税に関しては課税所得金額が900万円を超えると税率が23%から33%に上がるので、ここがボーダーラインになります。

「課税所得695万円超 900万円以下」の部分の税率が23%で配当控除10%を適用すると13%になり、これに住民税5%を足しても合計約18%で、申告しなかった場合の20.315%よりお得になるというわけです。

さらに課税所得金額が下がるにつれ所得税率が20%、10%、5%と下がっていくので、低所得層のサラリーマンほどお得になっていきます。

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確定申告なんて関係無いよ、と言わずにサラリーマンだからこそ確定申告することを考慮すべきです。

サラリーマンは税金を源泉徴収されて損だと誤解している人が多いですが、実はサラリーマンは税制的に恵まれています。給与所得控除という経費が無条件で認めらているからです。

自営で経費を増やすのって頭を悩ますんですよ。サラリーマンはそれが無条件で認められている。これは優遇です。

そしてサラリーマンでも別に確定申告は出来るのに、なんで確定申告もせずに税金が高いとか文句言ってるのか意味が分かりませんよね。

重要ポイントは、

・2017年度の税制改正で、配当金の所得税と住民税の課税方法を別々に選べるようになった

・住民税の税率がミソ。源泉徴収のまま申告不要の方が安い

・所得税は総合課税で確定申告して配当控除の適用を受けた方が安い(課税所得900万円以下まで)

・配当金の所得税を総合課税で確定申告、住民税を申告不要とする事で税金を安くできる(還付金を受けられる)

サラリーマンで確定申告の経験が無い人にとっては、確定申告自体がハードルが高く面倒臭いかもしれませんが、ざっと計算してみて手間に見合う効果があると感じれば、挑戦してみてもいいんじゃないでしょうか。

税務署への確定申告に加えて市区町村役場への申告と、確かに手間は手間ですが、知識と経験が身につきます。

直接的な金額よりも、実はこちらの方がメリットが大きいのではないでしょうか?

サラリーマンであっても税金や社会保障に関する知識と経験が身につけば、今後どう行動していけば自分が有利になるか分かるからです。

もし確定申告するメリットが薄いと感じるなら、今後確定申告するメリットが増えるように行動して行けばよい話です。配当金を増やすとか。

確定申告しないのは金額的にも学習機会的にももったいない話です。

関連記事:【確定申告】配当金生活の確定申告まとめ

参考外部リンク(大和総研):上場株式等の住民税の課税方式の解説(法改正反映版)

確定申告の時期になると手続きについてアレはどうだったっけ?前にやったのに完全に忘れてしまった、という事があると思います。

税理士でもなければ確定申告なんて自分の分を年一回しかやらない、あるいは確定申告しない年もあったりすると忘れてしまうのも無理はありません。

毎年話題になるのは配当控除の適用範囲です。

国税庁のサイトには以下のようにありますが、素人には分かりにくい!頭に入らない!

2 配当控除を受けることができる配当所得

 日本国内に本店のある法人から受ける剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配、金銭の分配、証券投資信託の収益の分配などで、確定申告において総合課税の適用を受けた配当所得に限られます。したがって、外国法人から受ける配当等は、配当控除の対象となりません。

No.1250 配当所得があるとき(配当控除)より引用


そこで配当控除とはそもそも何のためにあるのかを知っていると、理解がしやすく憶えやすいです。

配当控除は国内株式の2重課税問題を排除するために設けられた税額控除です。

株式を買うということは、株式会社の部分的なオーナーになるということです。

あなたが部分的なオーナーである株式会社は利益から法人税を払っています。

法人税を払った後に残った利益の一部を株式数に応じて配当金として分配する訳ですが、ここでも源泉徴収であなたが2重に税金を取られています。

株を買うということは会社の部分的なオーナーになること、という認識があればこれが問題だという事が分かりやすいです。

これが国内株の2重課税問題で、これを排除するために設けられたのが配当控除です。確定申告して払い過ぎた分は取り戻して下さい、という訳です。


外国株は国内法人の株式ではないので、国内株の2重課税問題は関係ない、したがって配当控除は適用されない、といったん理解すれば憶えやすく忘れないでしょう。


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J-REITの分配金も配当控除の適用外です。

こちらは日本の上場投資信託なのになんで?と思うかもしれませんが、これはREITのしくみに関係しています。

REITは当期利益の90%超を投資家に分配することを条件に法人税が免除されています。一般に株式の配当金利回りよりREITの分配金利回りが高めなのはこの特例の影響が大きいです。

これで分かると思いますがつまり、法人税が免除されているということは、2重課税問題も存在しない、だから配当控除は適用されない、ということになります。


最後に投資信託にも軽く触れておきます。

まずここまでで国内株式を含まない投資信託に配当控除は関係ない、という事は分かると思います。

対象になるのは国内株を含む投資信託ですが、配当控除率は非株式の比率と外貨建て資産の割合で決まります。

非株式の比率と外貨建て資産の割合が高くなると配当控除率が下がるか無くなる、とざっくり憶えておけばいいでしょう。最高でも所得税5%の控除率なので個別株に比べると渋めです。

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