カテゴリー:税金・確定申告

源泉徴収なしの特定口座(または一般口座)は源泉徴収ありに比べると資金効率に優れますが、確定申告については落とし穴もあります。

確定申告して申告分離課税となると、所得はその申告者の「合計所得金額」に含まれます。

「合計所得金額」が増えると、同一世帯の他の納税者(世帯主等)の所得控除(扶養控除や配偶者控除等)、国民健康保険料、70歳以上の高齢者の自己負担割合の判定にも悪影響が出る場合があります。

そのため株式の譲渡益や配当をあえて確定申告する場合(源泉なしの特定口座ならどちらにせよ確定申告する必要がある訳ですが)、通常これらの影響も考慮した上で、トータルで得になるかどうか考えなくてはなりません。

源泉徴収ありの特定口座の方が何かと無難、と私が言うのもこの影響を考えています。説明するの大変ですし。


源泉ありの特定口座でも確定申告する場合は注意が必要です。

複数の口座の損益通算や前年以前の繰越損失と通算するために確定申告する場合、利益が残っているとその分は判定に影響します。

利益が残る場合は損益通算の節税分と判定の影響分をトータルで考えて、確定申告するかどうか考えなくてはいけません。

うまく調整して利益が残らないようにすればこのような事を考える必要もないので、複数の口座を使い分けたり、計画的に損出ししたりする人もいます。


また2018年からは地方税法の改正により、住民税の課税方法を選択できる事が明確化されました。

参考記事:【超朗報】上場株式等の配当の課税方法、実質見直しで所得税と住民税を別々に分けることができる!【配当生活に追風】

つまり配当と同様に、譲渡益も住民税に関して有利な課税方法を選択する事が出来ます。

所得税は確定申告して申告分離課税、住民税は申告不要にすれば判定の影響を回避できます。源泉なしの特定口座だとこれも出来ないことになります。



書いてて自分でも思うのですが、非常に複雑ですね……源泉徴収ありの特定口座がいかに納税側にも徴税側にもラクな制度か分かります。

ただ申告者がサラリーマンだと判定の影響を考える機会はあまりないかもしれません。

国保と違って会社の健康保険料は本人の給料等で決まるはずなので株の影響はありませんし、世帯主だと扶養控除や配偶者控除の判定も関係ありませんし。

影響を考える必要がある人は個人事業主、年金生活者、高齢者、主婦、学生などでしょうか。

サラリーマンをやめてセミリタイアする人は憶えておいた方がいいし、そうでなくても誰でもいずれ会社は辞めるので頭の片隅に置いておけばいいでしょう。

この記事の続きを読む

証券会社の口座は一般口座と特定口座があります。特定口座にはさらに源泉徴収ありとなしがあります。

人によってどの口座を選ぶのが良いのかは違ってきますが、多くの人にとっては源泉徴収ありの特定口座が無難でしょう。


簡単に言うと証券会社が年間取引報告書を作成してくれるのが特定口座で、してくれないのが一般口座です。

取引の頻度にもよりますが、年間取引報告書を投資家が自力で作成するのはもの凄く面倒なので、これは特定口座の最大のメリットです。

作成された年間取引報告書は投資家に交付されるほか、税務署にも送られます。

外部リンク:特定口座を開設すると「特定口座年間取引報告書」は証券会社から税務署へ提出されますか?(SBI証券)

年間取引報告書が作成されない一般口座のメリットは何もないように(脱税を企みでもしない限り)思えますが、一般口座でしか扱えない未公開株などがあるらしいので、いまだ存在しているようです。


口座を選ぶ際には普通の投資家にとっては源泉徴収ありの特定口座か、源泉徴収なしの特定口座の2択になるはずです。

源泉徴収ありの特定口座が殆どの人にとっては無難な選択になります。

源泉徴収ありだと確定申告をしなくても良いし、確定申告する必要があれば別に確定申告自体はできます。

源泉徴収ありの特定口座でも確定申告して損益通算する事は出来るので、全体でマイナスなのに税金を取られてしまうといった理不尽な事にはなりません。

細かい事ですが、給与所得者で株の利益が20万円以下だった場合は確定申告しなくてもよい(所得税の話。住民税は申告が必要)というルールがあるので、

この点だけは20万円以下でもきっちり徴収されてしまって取り戻す事も出来ないのが不利な点ですが、それを気にしなければ源泉徴収ありの特定口座が一番楽で不足も無いでしょう。

私も源泉徴収ありの特定口座にしています。


源泉徴収なしの特定口座は原則毎年確定申告が必要になりますし、自分で納税しなければなりません。年間取引報告書が税務署に送られているので、言語道断ですが利益があるのに申告しなかったりするとしばらく泳がされてからお尋ねが来ます。

しかし毎年自分で確定申告するのが当たり前、自分で納税するのが当たり前の人にとっては源泉徴収なしの特定口座はメリットがあります。

源泉ありだと利益を確定するたびに税金を取られるので、再投資する際の資金が目減りしてしまいます。

源泉なしなら翌年の確定申告までは税金の支払いを先延ばしに出来るので、その間の資金効率が良くなるという訳です。


ただぶっちゃけた話、実際はヘタクソ投資家にとっては多少資金効率が上がったぐらいでその分利益を伸ばせるのか、余計な回転売買でかえって損失を出すのではないか、という懸念もあります。

また税金を先延ばしにするということは、所得税や遅れてくる住民税の支払いの分は、ちゃんと計画的に確保しておかないとならないという事です。

ハッスルした結果、いざ税金の支払いの時期になってお金が無くなっていた、という結果になっては目も当てられません。


毎年確定申告するのが当たり前、自分で納税するのは当たり前、資金管理や計画は当然、という人なら問題はありません。ただこういう人ってほとんどプロじゃないですかね……?

源泉なしの特定口座は投資や税制に精通したプロ用と考えると、普通の人は源泉ありの特定口座にした方が何かと無難でしょう。

その上で、確定申告する必要がある時はきっちり確定申告する、というのをおすすめします。

この記事の続きを読む

結局延長ですか。

現実に証券会社のマイナンバー取得が進んでいなかったので、法律を現実の方に合わせた形になっています。

また、平成27年12月31日以前から証券会社とお取引されているお客様で、証券会社へのマイナンバーの提供が済んでいない方は、平成31年1月1日以後最初に株式・投資信託等の売却代金や配当金等の支払を受ける時までにマイナンバーの提供が必要です。

マイナンバー提供のお願い(日本証券業協会)

日本証券業協会の方は以前からこのような通知が出ていて、まだ修正もされていないので知らない人も多いのではないのでしょうか?

2019年1月1日以降はマイナンバーを通知していない口座は違法状態、という話でしたが法律の方が現実に合わせてきたのであと3年はまた問題無いようです。

確定申告も電子申告をする場合は今年からマイナンバーカードを使わずにID・パスワード方式で行う事が可能になりました。

マイナンバーの普及が遅々として進まないので、国税庁の方ももうどうでも良いというか、マイナンバーを見切りはじめている?のでしょうか。
この記事の続きを読む

2019年1月4日からスマホで確定申告が出来るようになっています。

さっそく国税庁の確定申告書作成コーナーに行ってみたのですが、これが予想以上に使えなくてびっくりしました。

外部リンク:国税庁 確定申告書等作成コーナー


sumaho1_convert_20190104235929.jpg


確定申告書作成コーナーに行くとこのような画面で、質問に答えて次に進んでいく形になります。



sumaho2_convert_20190104235943.jpg


うーん、平成30年分しか出来ないのですか。まあここは「はい」と答えて次の質問へ進みます。



sumaho3_convert_20190104235953.jpg


は?何をおっしゃってますか?



sumaho4_convert_20190105000001.jpg


給与収入だからサラリーマン限定、しかもサラリーマンでも配当所得や雑所得など、投資や副業をする人も使えないというクソ仕様…いえ残念な仕様のようです。



sumaho5_convert_20190105000009.jpg


源泉徴収票が複数ある人は使えません……



sumaho6_convert_20190105000023.jpg


質問に答えていくと「PCでやれや」と言われ続けます。


どういう人がこの「スマート申告」を利用するのか考えると、

まず給与所得者であるのは必須で、

源泉徴収票を貰っているのは一か所だけで、

副業の雑所得など他の申告する所得は一切なく、

もし投資をしていても配当所得の申告や損益通算はしなくて、

年末調整が済んでて、

かつ医療費控除やふるさと納税を利用するために確定申告する必要がある……という人に限られそうです。



……やはりお役所のやる事に期待はするなって事ですね。

まあそれでも条件に合致する人は、一度税務署の窓口まで行ってIDとパスワードを発行してもらえば以後は毎年スマホでスマートに確定申告できるはずなので、利用してみてはいかがでしょうか。

外部リンク:いつでもどこでもスマホで申告(PDFのチラシ)


利用条件が厳し過ぎてちっともスマートじゃないとは思いますけどね。

この記事の続きを読む