カテゴリー:セミリタイア関連

インデックス投資の定義って特に定まってないらしいので、ここでは株式と債券の指数にバランスよく投資する「パッシブ」投資法、と勝手に定義します。

専門外だしあまり細かく定義する必要もないでしょう。

まあざっくり言うと株式と債券の指数に連動する投資信託を買ってほったらかしておく投資法のことです。

インデックス投資の期待リターンはひいき目に見てもせいぜい5%ぐらいらしいです。細かい議論は知りませんけど。

デフレで超低金利の現代だと5%はけっこう立派な数字に見えますが、20世紀の日本だと定期預金の金利ぐらいで、時代とはいえまあ預貯金に毛が生えた程度のリターンです。

元金と毎月毎年の追加投資の金額がよっぽど大きくないと、この程度のリターンではセミリタイアは難しいはずです。

インデックス投資はセミリタイアするには不向き。

ここまでは誰にでも分かりやすい話だと思います。

しかし実際にはブログ村のセミリタイアカテゴリーなど、ネット上のセミリタイアしたという人のうち、インデックス投資家の割合はかなり高いように見受けられます。

初期資金と追加資金が多いのだろう、という推測や

いや生活費を削っているからインデックス投資の低リターンでもセミリタイア出来たのだ、という推測は可能です。

ただ大事なのはそこではなくて、インデックス投資の低リターンはセミリタイアには不向きだが、インデックス投資の他の要素がセミリタイアというスタイルにハマりやすいのではないか、という事です。

資金力や生活費の多寡は個人的な話なので、人それぞれに何とかする問題です。

私が思うにセミリタイア者にインデックス投資家が多いのは、インデックス投資で行く、という方針を決めてしまえば、他のセミリタイア要素について考える時間が出来るからだと思います。

ほったらかしのパッシブ投資に決め打ちすると、投資の技術や経験は深まりませんが、セミリタイアする方法論はひとつではないので、別に株の達人になる必要はありません。

それよりセミリタイアに必要なのは生活設計の能力です。

生活設計とは

将来に向かって、望ましい、こうありたいという生活像を描き、そのような生活はどのような条件・状況のもとで実現可能かを考え、目的達成のため、具体的計画を立てること。

知るぽると(金融広報中央委員会)より

年間の生活費を見積もったり出来て、セミリタイアに特に重要な税金や保険や社会保障の知識のある人の能力です。

またお金の事だけでもないですよね。

そりゃインデックス投資ではなく株の売買で10億円も稼げばよっぽど破綻した人でもない限り、生活設計の能力が無くてもセミリタイアできます。

いわばパワータイプのゴリ押しセミリタイアです。

しかしそれは現実的に難しいので、数千万円から1億円程度の資金に到達するのを目標とすると、途中の投資法が何であれ、セミリタイア後の生活を設計できる能力の方が重要でしょう。

かなり地味というか、堅実な能力ですよね。

こういう地味な技巧派のセミリタイアに、やはり地味なインデックス投資がうまくハマるのではないかな、と思う次第です。

インデックス投資自体が低リターンゆえにセミリタイアに向いていないとしてもです。

普通の人では出来ない追加投資の入金力でゴリ押す、パワータイプの派手なインデックス投資家もいるのでややこしいですけどね。

セミリタイア向きの体質って何じゃいっていう話の前に、サラリーマン向きの体質について。

学校を出て就職してサラリーマンになって、長年仕事を続けていると、気が付かないうちにサラリーマン向きの体質になっている事があります。

人間というか動物は環境に適応して体質まで変える事があります。

サラリーマン社会を生き抜くためには体質を環境に適応させてサラリーマン体質にしてしまわないといけないのです。


例えば私の体験だと、就職してしばらくすると、風邪を引くのは決まって週末だということに気が付きました。

仕事をしている平日は、気が張っていて、なかなか風邪を引かないようなのです。

週末になると気が緩み、病魔の侵入を許してしまいます。

で、引いた風邪は週末のうちに寝て治してしまい、また月曜日からの労働に向かうのです。

せっかくの休みを寝て過ごし、週末の予定はパーです。

なんという哀しい社畜体質でしょう。


睡眠不足に耐性が付くのもサラリーマン体質ですね。

残業して仕事が終わっても、翌朝までの限られた時間に用事を済ませ趣味を楽しんだり作業をしたりしようとすれば、時間が足りなくなります。

時間が足りなくてそれでもなんとかしようとすれば睡眠時間を削るしかありません。夜更かしを繰り返し必然的に睡眠不足に耐性が付いてしまいます。

しかし眠さに耐性が付いたところで、長期的には良い事はありません。睡眠負債という言葉もありますし、後でツケを払うことになるだけです。


セミリタイアすればたっぷり睡眠は取れるし、休養十分だから風邪も滅多に引きません。

しかしセミリタイア直後の人は、染みついたサラリーマン体質で無意味に夜更かししてしまったり、風邪を引いて体調を崩したりしがちなようです。

セミリタイア環境にスムーズに適応できずに、身体に異変が起こるんですね。

このせいでセミリタイアなんかダメだ、やっぱり人間は働いてナンボだという普遍性の無い極論に走る人もいるようです。



このような哀しい事にならないように、セミリタイア志望の人は在職中から計画的に体質の改善をはかっていけばどうでしょうか。

すなわち、平日に風邪を引いて会社を休んでしまい、残業はせずとっとと帰宅して趣味なり副業なりをして、睡眠時間を確保します。

それでも眠けりゃ仕事中に隙を見て寝てしまうのも良いでしょう。スマホで株取引するのも良いですね。

このようにセミリタイアへ向けて体質の改善をはかっていけば、移行がスムーズにいくでしょう。

職場の評価が最低になってしまったら、セミリタイアしてしまえば良いのです。

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国民の三大義務のひとつに「勤労の義務」があるので、ニートは憲法違反なのか?という有名な議論がありますが、結論から言うと憲法違反ではありません。

関連記事:勤労の義務とセミリタイア

現行憲法下ではニートと同じくもちろんセミリタイアして働いていなくても憲法違反ではないので、安心して良いのですが、もし万が一自民党の改正案どおりに憲法改正されるとセミリタイア・無職は憲法違反になるかも?という話です。

自民党の改正案を見てみます。

外部リンク:日本国憲法改正草案(自民党憲法改正推進本部)

問題は新設の第102条です。

第102条 全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。

現行憲法では、憲法を尊重し擁護する義務を負うのは「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員」となっていて(第99条)、ここに国民は入っていません。

憲法を尊重し擁護する義務を負うのは国と公務員だから、いち国民であるセミリタイア人が働いていなくても憲法違反には当たらない、というのが大原則ですが、もし自民党の改正案どおりに憲法改正されたらここが根本から崩れることになります。

自民党はどういうつもりで改正案にこの憲法尊重規定を入れたのでしょうか? Q&Aを見てみます。

外部リンク:日本国憲法改正草案 Q&A(増補版)(PDF)

Q45 国民の憲法尊重義務を規定したのは、なぜですか?

 憲法の制定権者たる国民も憲法を尊重すべきことは当然であることから、102条1項を新設し、「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。」と規定しました。

これについては、「国民は、『遵守義務』でいいのではないか。」という意見もありましたが、憲法も法であり、遵守するのは余りにも当然のことであって、憲法に規定を置く以上、一歩進めて憲法尊重義務を規定したものです。なお、その内容は、「憲法の規定に敬意を払い、その実現に努力する。」といったことです。

この規定は、あくまで訓示規定であり、具体的な効果があるわけではありません。

あくまでスローガンだそうです。

現行憲法でも「勤労の義務」は単なるスローガンであって、特に意味の無い何故あるのか不思議な盲腸のような規定だと言われてるぐらいだから、いっそ「勤労の義務」は削除した方が良いぐらいだと思うのですが、そこには手をつけず、むしろスローガンを強化するという斜め上の方向性のようです。

この説明通りなら、自民党の改正案どおりに憲法改正するとセミリタイア・無職がただちに憲法違反となるわけでないようですが、現行憲法下の今でも、努力目標のような「勤労の義務」を根拠に無職は憲法違反!などどトンデモな主張をする人がいるぐらいですから……

スローガンを強化するようなこの改正案がもし万が一にも通ってしまうと、セミリタイア・無職は憲法違反だ!という人の声は現在とは比べ物にならないぐらい大きくなるでしょうね。

セミリタイアするのにいくら金融資産が必要かという話は、結局は人それぞれだよね、という無難な結論に落ち着くのですが、

こと配当金生活というカテゴリの中で語るなら、私ならば「最低5000万円は必要です」と断言することができます。

これは仮定や妄想の話では無く、私が実際にやってみてそう感じていることです。

これ以下だと色々と無理がでてきます。

もちろんあればあるだけいいのですが、7000万円あればちょっと余裕が出てくるし、1億円もあれば十分でしょう。

最低ギリギリを攻めるとすれば5000万円は必要。

実際に配当金生活に入る前には年中頭の中で色んな数字が飛び交っていましたが、今では結論が出ています。

だいたい5000万円を配当利回り5%(税引き後約4%)で年間200万円になります。

この金額は1人暮らしの人の生活費の全国平均に近いので、これだけあれば最低限の生活はできます。

実際に資料を見てデータを確認してみます。

外部資料:家計調査報告(家計収支編)平成29年(2017年)III 総世帯及び単身世帯の家計収支(総務省統計局)(PDF)

これ(表Ⅲ-2-1)によると2017年時点で、単身世帯のひと月あたりの家計支出は、全年齢平均で161,623円です。

配当金で得られる200万円を12か月で割ると166,666円なので、やはりぴったり配当金で生活費を賄えることになります。

資料によるとデフレの影響で生活費は年々減少傾向にあります。

配当金が維持されてデフレが続けば相対的に生活は楽になります。

一方でインフレになり生活費が上がっても、穏やかなインフレであれば通常は株価も配当金も上がるはずなので、やはり問題はないはずです。

注意点としては、この統計資料の「家計支出」には社会保障費と税金が入っていません。

なのでギリギリの金額でセミリタイアするならば、社会保障と税金の知識は必須になります。

配当金の税金は現在20%ちょっとですが、配当控除がある(日本株や日本株ETFなどの場合)ので配当金だけで生活するケースなら確定申告後で5%ちょっとまで圧縮できます。

関連記事:日本株式1億円、年間配当300万円。確定申告でいくら税金を減らせるか?

5000万円あれば絶対に配当金生活できる、という訳ではありませんが、ギリギリの線の目安としては、やはり5000万円だろうという事です。

日本株だけで配当利回り5%のポートフォリオを組むのは時代によっても結構大変ですし、大金を運用するにはそれなりの知識と経験が必要です。

投資を続けて徐々に経験を積み資金を増やし、配当だけで食うのを意識し始める金額が5000万円という話もありますし、考えてみればいいセンだと思います。

過去の関連記事:「お金持ちの教科書」 純金融資産5000万円の魔力