カテゴリー:投資本等
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「お金持ちの教科書」は億万長者本の中ではかなりの良書です。ある程度の知識と経験を持った人が読めば自明の事もありますが、全体としては面白く読めるでしょう。

身も蓋も無い内容が多いので反感を感じる人もいるかもしれませんが、そういう人はあまりお金持ちには向いていません。それはそれで結構だと思います。実際お金持ちはその構造的に友人が少なくなるのでそれが嫌な人は目指さない方がいいでしょう。その理由も書いてあります。

作者の主張は例えば以下のようなものです。


・数百万円から数千万円でポートフォリオを組んでもほとんど意味が無い。

・投資で成功した人は内容を語りたがらない。理由は手法を秘密にしたいからでは無い。

・「お金持ち脳」の年齢制限は30代前半説


主張の根拠が知りたい人は御一読を。ちなみに私はこれらの主張にはおおむね賛成です。

お金持ちの教科書


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この本ではお金持ちの基準を最低1億円からとしています。

野村総研などでも富裕層の基準を1億円以上に設定していますし、大体の人が納得すると思います。

なぜこの金額かと言うと、働かずに生活できるギリギリの水準が1億円だからという説が有力だそうで。
どのような時代でも3.5%ぐらいの利回りは何とか確保できるでしょうということらしいです。

しかし普通の人は宝クジでも当てない限り、ポンと1億円が手に入ることはありません。

労働収入から貯蓄し、それを投資に回してなんとか1億円を目指しますが、これも個別株の集中投資やFXなどの投機的手法で一発や二発は当てない限り資産額のワープはできませんので、2千万、3千万、4千万と段階を踏んでいくしかありません。

やがて5千万円に達したとします。

お金持ちの入り口は1億円と書いたが、現実にはもう少し下の金額から人の思考回路は変化し始める。だいたいそれは5000万円くらいである。5000万円を境に、お金に対する価値観は大きく変わってくることが多い。

この著者は私の気持ち(?)がよく分かってます。分かる、分かるぞ。

若くして純金融資産5000万円を手にした人間には、それで食えてしまう可能性が見えてきてしまいます。

計算上は税引き後利回り5%で回せれば、年に250万でなんとか働かずに食えます。

実際は5000万円を丸々リスク資産で回すのは少々危険ですが、そんなことは知ったこっちゃありません。

なんせ見えてしまったのですから。こうなると浪費はむろんのこと段階的に取り崩す気にすらなりません。

著者はその辺のFPや税理士と違ってこういう状態になった人の気持ちがよく分かってます。

基本、運用益だけで食っていくのがお金持ちの思考です。純金融資産5000万円はその思考に至るための入り口と言えます。

gintokin (1)

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銀と金 1


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お金持ちは本来派手に消費するものであることはわかりました。

では日本ではなぜお金持ちなはずなのに地味で貧乏臭い人が多いのでしょうか。

この人たちはどのような人種なのだろうか?以前にも登場した信託銀行マンによれば、そのようなタイプのお金持ちはズバリ、以下の2つの人種に集約されるという。

➀資産のほとんどが土地で、有効活用できていない
➁お金を貯めることが自己目的化している


つまりストックはあるが流動性に乏しく、フローが貧弱なので生活は地味にならざるを得ないということでしょうか。見掛け上の資産額では紛れも無くお金持ちと言えますが…

「日本のお金持ちの資産は土地に偏っている」というのがこの章のタイトルです。この状況は高度成長、終身雇用、地価の右肩上がりという3条件が揃って生まれました。つまり給料が上がり続け、定年まで安定して働け、住宅ローンの金利を上回って地価が上がった昭和の風景です。
今の日本ではとっくの昔に失われている条件です。私より下の世代からすると異国の話のようです。

このようなタイプの資産家は徐々に日本からいなくなり、20年後のお金持ちは、典型的なコテコテのお金持ちタイプの人ばかりになるかもしれない、というのが著者の意見です。私も同感です。私より下の世代にはこのような昭和脳の資産家は少なく、金融資産の割合が高い欧米に近いスタイルになっているので自然とそうなるでしょう。

お金持ちの教科書


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以前、「日本版となりの億万長者」を誰が書いてくれないかな、と言いましたがあることはあるのです。
ただそれらの本は「となりの億万長者」以降に書かれた本で、厳しい言い方をすると「となりの億万長者」の劣化版にしかなってないのです。やはり2番煎じは駄目で、何か新しい切り口が必要です。

「となりの億万長者」は世間一般の億万長者のイメージを逆手に取って、「実はお金持ちは皆質素な生活をしている」というデータを出して「ギャップ受け」を狙った本です。それが当たって本はロングセラーとなり著者も大金持ちになりました。この本の特徴は読者である庶民に大変受けがいいことです。「となりの億万長者」を読んで金持ちに腹を立てたいう話は聞きません。

読者である庶民が共感できず腹を立てるような、金持ち独特の行動様式を分析した本は無いかと探していたらありました。「お金持ちの教科書」がそれです。

「お金持ちはやっぱり消費している」
普段から資産家を相手にする信託銀行マンによれば、

彼によれば、お金を持っている人は、程度の差こそあれ、それなりに派手な消費をしているという。”慎ましい生活を送る本物のお金持ち”というのは、彼によれば「我々お金のない庶民が作り上げた、金持ちはこうあってほしいという願望」なのだそうだ。

「となりの億万長者」に出てくる倹約家の金持ちは金融リテラシーの高い庶民に過ぎないので、やはり本当の金持ちは消費しています。考えてみれば当たり前の話です。

庶民の世界は、金持ちの真似をして消費した結果財産を築けない人と、倹約に励んだ結果富裕層の仲間入りはできたが消費行動はやっぱり庶民という人で構成されています。

本当の金持ちは消費している。これは当たり前として、では消費しない金持ちのイメージはどこから来たかと言うと、著者は本当の資産家と代々続く旧家の話がごちゃまぜになっているから、としています。

確かに没落しかけている旧家というのはストックは多いがフローは少ないのです。資産を少しずつ切り崩しながら慎ましく生活しています。この調子で相続を重ねて行けばいつかなくなります。

考えてみれば資産を切り崩しながら生活する庶民セミリタイアは没落貴族みたいなものです。貴族は家名を残さねばなりませんが、庶民は気楽なものですからかえって使い出があるかもしれません。

この本はとにかく面白いですが、庶民目線だと共感は出来ないと思います。もっとも庶民が共感できるような価値観だと一生金持ちには成れないので、どうしても金持ちになりたい人は考え方を見直す必要があります。

私も庶民ですが、なぜかこの本に共感できる事が多いのは「金融資産が5千万を超えたあたりから考え方が変わってくる」ということらしいです。金持ち入門は年収なら3千万以上、金融資産なら1億以上がスタートラインだそうです。

この本の感想はシリーズ化したいと思います。

お金持ちの教科書


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